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「うまっ…」
静かに食事をすることを義務付けられている食堂に
大倉の素直な呟きが零れる
ヒヤっとした顔をし、周囲をうかがう安田や錦戸など気にも留めず
大倉は白飯と皿のおかずを一気に口に注ぐ。
軍入りを志願し、ここに来て約半年。
初めて、彼の舌を満足させるものを口にしたのだ。
美食家、とまではいかないが、
彼の家庭が元々料理屋であったことから
幼いころから美味しいものを食べてきた大倉にとっては
兵舎に入ってからの食事は
ただ訓練を耐えるため腹を満たすだけの食べ物、くらいにしか思えなかった。
戦時中に物を口にできることさえ喜ばしいのが現状ではあったが、
大倉はそれで満足できる男ではなかった。
美味しいものをおなかいっぱい食べる、
そんな彼の幼いころからの食に対する考えはこのような状況でも変わりはしなかった。
大倉はあっという間に空になった器を眺め、
真正面に座り、完食に苦戦している様子の安田の皿に箸を伸ばした。
一瞬眉間にしわを寄せた安田であったが、
はぁーっと息を吐き、自分の分を少し大倉の皿に分け与えた。
小食の彼にとっては、今日の料理は少し量が多かったのだ。
大倉が満足げにまた箸を動かすのを半ば呆れた目で見ながら
安田は調理場の方に目を向けた。
昼までそこで腰を抑えて立っていたおばちゃんの姿はなく、
代わりの料理番の姿もない。
果たしてこの料理を作ったのは誰だろうか？
そんな疑問を抱きながら、彼は自分に与えられた食事の完食に勤しんだ。
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愛∞ - 続編も、読ませて頂きました。これからの展開に、ハラハラドキドキしています。これからも更新頑張ってください！ (2018年6月22日 16時) (
レス) id: bcf804df6a (このIDを非表示/違反報告)
愛∞ - 良ければ、私の作品も読んでください。もし、読んでくれたら、コメントください。絶対返信します。ヒバナ、ヒバナ2、青春のすべて、僕と君以外がいない街、すばるくん検定など。 (2018年6月17日 20時) (レス) id: bcf804df6a (このIDを非表示/違反報告)
よんぱち(プロフ) - 愛∞さん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです(^^)これからも楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2018年5月26日 23時) (レス) id: 133e76bc63 (このIDを非表示/違反報告)
愛∞ - この小説の世界に、引き込まれます。めっちゃ、面白いです。 (2018年5月21日 12時) (レス) id: ee6c2328de (このIDを非表示/違反報告)
よんぱち(プロフ) - 花音さん» コメントありがとうございます！返信遅くなり申し訳ございません(;_;)そう言っていただけてとても嬉しいです！亀さん更新ですがこれからも頑張ります(^^) (2018年5月20日 22時) (レス) id: 133e76bc63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よんぱち | 作成日時：2017年12月1日 22時
