ここにいたこと【４８】

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A「これ、見たよー」


Aが嬉しそうに手に取ったのは

小さく私が掲載された雑誌だった


優「嘘！買ってくれたの？」

A「もちろんじゃん！優ちゃんが載ってるんだもん」


何十ページのうちのたった1ページのワンカット

それが私の掲載された部分。


優「わざわざ買わなくても…」


それが私の率直な気持ちだったけど

それでもAは


A「ううん。優ちゃん、すっごいいい顔してるんだもん！」


と満足げに私の写真を眺めてた


A「すごいよね〜優ちゃん。さすが私が見込んだだけある、うん＾＾」

優「…あ、ありがと」


なんだかそんなストレートに褒められると

調子狂うなぁ…


A「そうだ、この間、テレビ出たでしょ？
　 ばっちりお母さんに録画してもらってるから家に帰ったら見るんだ〜楽しみ＾＾」


そのテレビだって1期生が中心で私は端っこで愛想笑いしてるだけのやつ…

そんなに楽しみにされると申し訳ない気持ちもしてくる…


Aの話を聞いていると

どうやらAは私のメディア露出を細かくチェックしているようで


A「優ちゃんの活躍が、私の活力になるんだよ」


って笑顔で言ってくれた


A「優ちゃんが頑張ってるんだから、私も頑張らないとなって、いつも思わせてくれるんだ」


そんな風に言ってもらえるなんて思ってもみなかった…


A「こんなこと言うのも変だけど、優ちゃんは、正真正銘のアイドルだね」


Aは私の目を捉えて


A「見てる人を元気に、そして笑顔にしてくれるんだもん。
　 だから、これからも応援させてね。」


両手を握って微笑んでくれた


ギュッと握られた手の温もりが心に沁みた…

自分の夢を追いかけることが誰かの力になっているなんて

不思議なことだなぁって思いながら…


優「うん…よろしくね」


それならこれからも

誰かのためにこの世界で夢を追い続けようと

そう強く思った

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