【∞】∞の４あ８せを part３【48】

＊ ページ13

侯「みなみ。久しぶりやな〜」
み「キミにぃ！久しぶり^^」

数日後、キミにぃと同じ局で仕事になって、
いつものように人目につかないようにこっそりと会った。


侯「お誕生日おめでとう。20歳やな。」
み「ありがとう。」

侯「これさ、誕生日プレゼントって言っていいかわからんけど…みなみに渡さなアカンものやから」

キミにぃが差し出してきたのは一枚の封筒。
表書きには『みなみへ』と書いてある

み「読んでいい？」
侯「おん」

中を開けると、見たことのないきれいな字。

み「お母さん…」

侯「それな、オカンの遺品やねん。去年、亡くなってもうた。」
み「そうなんだ…」

私のこと、大切に思ってくれてたんだ…

み「今度、連れて行って？お母さんのお墓に」
侯「ええで。一緒に墓参り行こうな」

にっこりと笑った兄。

侯「それより、みなみ…お前最近ちゃんと寝てるか？」
み「え？」
侯「目の下、クマすごいで？」
み「あぁ…ちょっと昨日夜仕事遅くてさ。たまたまだよ。」

私のちょっとした変化も心配してくれる兄。
メールの返しが短いと「何かあった？」とか、
電話越しに聞こえる私の声が元気ないとか…
あの男たちの『いつも見てる』感じじゃなくて
キミにぃは『離れていても見守ってくれる』感じ。


他の人は誰も知らない私たちの関係…
キミにぃになら話してもいいんじゃないか…



そう頭の中で思ったけど、すぐに切り替えた



侯「ホンマか？今日はちゃんと寝るんやで？」
み「うん。」
侯「そう言えば総選挙やっけ？あとちょっとなんやろ？体調崩さんように気ぃ付けや？」
み「ありがとう。お兄ちゃんも気を付けてね」
侯「おんッアカン！もう時間や…みなみ、ほなまた。」
み「…またね」

廊下を駆けていく兄の背中を見送った。

言えないよ…
お兄ちゃんはお兄ちゃんで忙しいんだもん…

ちゃんとせぇ！　★Shingo　Murakami→←＊

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