【Q|K】影の薄い彼女は薄影さん #2【izw】

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「ちょっとちょっと、え？いつの間に二人そんな仲良くなったわけ？」

「伊沢さーん、そんなんじゃすぐ嫌われますよー」

「水上ちょっと後で話あるから」


　私と砂川さんが以前より仲良くなってる事が余程衝撃的だったのか、伊沢さんはまるで捨てられた子犬みたいな目で見つめてくる。そんな不安そうな顔する必要ないのに
　さっきはこれが大人の余裕か、とちょっと距離を感じてしまったが、案外そんなことはないのかもしれない

　私自身もよく、伊沢さんはモテるからきっと私なんかすぐ飽きられちゃうんだろうな、なんて不安になることが多々ある。その度に以前から相談に乗ってくれていた須貝さん達に泣きついたり、今は意地悪だけど真面目な話の時は真剣に聞いてくれる砂川さんに相談したりと、いつも周りに助けられている

　…伊沢さんにもそういうことあるのかな、なんて。って、あるわけないか


「Aちゃん？」

「へっ」

「なにそんなニマニマしてんの。ハッ、もしかしてやっぱり砂川と…？！」

「違いますよッ！！」


　言えない。言えるわけない。伊沢さんにも余裕が無いときがあるのかな、なんて想像してニマニマしてたなんて、口が裂けても言えない
　…砂川さんが全てを悟ってニヤニヤしてるのは見えない事にしておこう


「それにしても、前々から思ってたけどAちゃん前より数段可愛くなったよね」

「えぇえっ？！いやいやいや、私全然変わってませんよ…？！」

「それ私も思ってました！これも伊沢さんパワーですかね？」

「お、岡本さんの方が10000倍も可愛いじゃないですか！！」


　鈴木さんを筆頭に岡本さんや紀野さんにも褒められて咄嗟に伊沢さんの背中に隠れる。や、やっぱり褒められるのはいつまで経っても慣れない。無理無理。心臓に悪い
　確かにここ最近は化粧もするようにはなって大分見れる人間にはなったと思うが、まだまだメイクは下手だし、アイライン書くのはまだ怖いし、こんな綺麗な方々に褒めてもらうにはまだまだ技術と顔面偏差値が足りない


「ほんと褒められ慣れてないよね〜。そんな謙遜しなくてもAちゃんは十分可愛いのに」

「ッみ、みんなしてっ、わわ私を沸騰させる気ですか…？！酷いですよっ！」


　どうやら伊沢さんまでもが鈴木さん達側だったらしい。そろそろ本当に心臓がもたなそうなので、伊沢さんの背中から「どんな被害妄想だよ」とツッコミを入れる砂川さんの背中に移る
　なんだかんだ言って一番安心かもしれない

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