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「じゃあ、行こか」
「は、はい」
一人ここ最近のことを振り返っていると川上さんがエレベーターの方に歩き出したので、慌てて後を追う
どうやら川上さんの部屋は7階にあるらしく、ボーッと変わっていく数字を見つめていると、あっという間にチーンと到着を知らせる音が鳴る。最近のエレベーターは着くのが速い
彼の部屋に入るまでの間、会話は一切無かった。心なしか早歩きの川上さんに着いていくのが精一杯で、話しかけられてもまともな回答一つ出来やしなかったと思うが
「ソファー先座ってて。飲み物取ってくる」
「あ、別に良いですよそんな…!」
「丁度飲みきれんくて困ってたやつあるから」
「……わ、分かりました…お願いします」
なんとなく彼の手中で転がされているような気もしたが、これ以上食い下がるのも逆にうざがられそうなので、大人しくソファーの隅に腰を下ろす
キョロキョロ、と辺りを見渡す。慣れない。男の人の家に来るなんて人生で初めてで、なんか、ソワソワする
男の人の部屋は、といっても比較対象は川上さんしかいないが、私の部屋にはないものも結構置かれていて、見慣れないものが多いこの空間が少し落ち着かない
無意味に膝を擦りながら川上さんの帰りを待っていると、透明なコップに注がれたお茶を二つ持った彼が帰ってきて、一つお礼を伝えてコップを受けとる
一口飲むと鼻から抜けていく麦茶の香り。この風味が好きで個人的にも麦茶は結構な頻度で飲んだりする
「…単刀直入に聞くけどさ」
「えあ、は、はいッ、なんでしょう!」
麦茶をまるで紅茶を飲んでるかのように楽しみながら飲み干した私に、早速と言わんばかりに本題を切り出してくる
コップに向けていた視線を上げて川上さんの方を見ると、彼は私が見た中で一番、真面目な顔をしていた
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白菜(プロフ) - しぃさん» いえいえ!ご希望に添えたなら良かったです! 今回は話数が限られていたので、初めて直接うらツク内に書かせていただいたので少々展開等が変になっているかもしれませんが、そこも愛嬌ということにしておいてくださると嬉しいです(笑)リクエストありがとうございました (2020年2月2日 0時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 白菜さん» ごめんなさい!完結後にもかかわらずリクエストしてしまって…でも最高でした!もう推しのにやにや顔を想像して昇天しそうでした← (2020年2月1日 22時) (レス) id: 1457e73937 (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 白菜さん» そうですね。以後気を付けます! (2020年1月27日 22時) (レス) id: 1457e73937 (このIDを非表示/違反報告)
まつりか(プロフ) - 白菜さん» 神ですよー!にしても少し回復したようで良かったです!私含め皆さんが白菜さんの事気にかけていたので、コメントを見てもっともっと元気を出して貰えたらと思います! (2020年1月27日 21時) (レス) id: e802cc95c8 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - しぃさん» ありがとうございます!リクエストの方ですが、あと二話ほどなら入るので短くはなりますがなんとか書いてみます!そして細かいかもしれませんが、次回からはお名前をsngwというように伏せていただけると助かります(笑) (2020年1月27日 21時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
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