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三十三 ページ35

忘れられる訳がなかった。
涙が止まらなかった、僕も胡蝶さんも、甘露寺さんも。
他の皆も項垂れるだけで、誰も言葉を発しなかった。

沢山傷付けてしまった、それでも誰よりも優しくて、守ってあげたかった。
沢山傷付けてしまったのは僕達の方だ。

「A…っ」

ぽつり、呟く。
長い沈黙を破ったのは、荒々しく開けられた扉の音だった。

きっと鎹鴉からの報告を聞いたのだろう。
そこには青い顔をし、息を切らした冨岡さんと、理恵さんの姿があった。

理恵さんは僕達の表情を見るなり、膝から崩れ落ち、両手で顔を覆い、声を抑えて静かに肩を震わせ始めた。

___何故か、怒りは湧いて来なかった。



「……冨岡さん、こっちだよ」

僕はそう言って、後ろを振り返らずに歩き始めた。
余程長い距離を走ったのだろう。
後ろの気配は未だ、息を切らしているようだった。
彼のその様子に、酷く、心が痛んだ。

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rin - めっちゃ泣いた...... (2023年5月3日 19時) (レス) @page38 id: c3282cfa2e (このIDを非表示/違反報告)
るる - 素敵な作品をありがとうございました! (2022年1月4日 19時) (レス) id: 2a1788ef2b (このIDを非表示/違反報告)
Soleil(プロフ) - あいさん» 確かに( ^_^ ;) (2020年10月25日 23時) (レス) id: c8ab14084f (このIDを非表示/違反報告)
  - あいさん» w (2020年6月28日 15時) (レス) id: f0c80c11c2 (このIDを非表示/違反報告)
あい - なんか、鬼滅絡める必要ある? (2020年6月20日 15時) (レス) id: 9ae16e851a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Soleil | 作成日時:2019年9月25日 22時

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