そんなに私が嫌いですか【鬼滅の刃】 (ページ29)

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二十七ページ29

｢やっと…効いてきたみたいね…。
こんなに…んっ、時間がかかるなんて思わなかったわ｣

｢嗚呼…これは、貴女の…ははっ｣

鬼は崩れる身体のまま、再び攻撃を繰り返す。
Aも、鉛のように重く痛みで叫び出したくなるのを堪え、左手で刀を握り直す。
視界は痛みのせいの涙で滲み、決してよくはなかった。
だが彼女は、このことを少しも焦りはしなかった。何故なら

｢私も相当ですけど…貴女も相当弱っているじゃないですか…｣

血鬼術___狂音針

Aの身体は、頭が割れてしまいそうな狂った音と、多数の鋭いみに包まれる。

｢かはっ…！｣

その場に刀を投げ出し、Aはうつ伏せに倒れる。
だが直ぐに刀に手を伸ばし、立ち上がろうとする。

｢安心、してください…。
例え私が弱っていたとしても…問題、ありません｣

そして何とか立ち上がり、勢いを付けて鬼に向かって走り出す。

｢貴方が死ねば…下で………私の、仲間が戦っている鬼も……死にますよね

私は、それを………っ止めればいい

お前を…殺せればっ……それでいい

………だって｣

藤の呼吸陸ノ型流れ藤

Aは鬼の頸目掛けて、目一杯左腕を振り上げる。

それと同時に鬼は、彼女の心臓目掛け血鬼術をかけようと手を伸ばす。

｢私は自分の命を、かけて…戦って………

貴方を、殺して……

此処で死ぬつもりですから｣

宙に、藤の花が静かに舞った。