十八 回想 ページ20
「お嬢さん、一人かい?」
「…はい。両親が…殺されて…」
「…嗚呼、可哀想に…辛かったでしょう。
うちへいらっしゃい」
そう言って、母親は彼女を優しく抱き締めました。
彼女はその優しさと暖かさに、泣き出してしまいました。
それが、罠であると知らずに。
両親は彼女に、鬼を恨んでいるかと問いました。
少女はしっかりと首を縦に動かしました。
瞳の色が同じだけではない、理恵の代わりに鬼殺隊に入る理由まである、なんと素晴らしいことでしょうか。
両親は心底喜びました。
これでかわいいかわいい愛娘を、死なせずにすみますからね。
そして十五になった年、彼女は両親に、自身が理恵の身代わりだということを聞かされました。
彼女は薄々、気が付いていました。
初めて理恵と会った日からずっと。
彼女は鬼殺隊に入隊することを条件に、完全に理恵の身代わりとなることを約束されました。
彼女は自分の両親を殺した鬼に復讐をする為、最終選別を突破することを目標に必死に鍛錬に励みました。
そして彼女が十七になった年、地獄が始まりました。
彼女は完全に理恵の身代わりになる為
限りなく近付ける為に
何度も何度も
整形手術を受けさせられました。
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rin - めっちゃ泣いた...... (2023年5月3日 19時) (レス) @page38 id: c3282cfa2e (このIDを非表示/違反報告)
るる - 素敵な作品をありがとうございました! (2022年1月4日 19時) (レス) id: 2a1788ef2b (このIDを非表示/違反報告)
Soleil(プロフ) - あいさん» 確かに( ^_^ ;) (2020年10月25日 23時) (レス) id: c8ab14084f (このIDを非表示/違反報告)
- あいさん» w (2020年6月28日 15時) (レス) id: f0c80c11c2 (このIDを非表示/違反報告)
あい - なんか、鬼滅絡める必要ある? (2020年6月20日 15時) (レス) id: 9ae16e851a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Soleil | 作成日時:2019年9月25日 22時