いのちゃんって・・よんで？(ar×in)６人組シリーズ(２)

いのちゃん・１７ ページ17

・・・・はぁ・・やっぱり・・助けてあげられなかったな・・・

足早に・・教室を出て・・
・・・下駄箱に来て・・・雨の音に気付いた＿＿＿＿＿。


「・・・雨・・・。」小さい声で・・ポツリと呟く・・。


はぁ・・空は雨色・・ココロは・・涙色・・。
雨のにおいをかぎながら・・入口の所で・・ボンヤリ・・・

「ふぅ・・どうしよう・・・」

「いのちゃん！」っと呼ばれ後ろを振り向く・・

「あ・・知念・・みんな・・。」
なんだかちょっと・・気まずくて・・俯いてたら・・


・・知念が急に早口で、
「いのちゃん、傘無いんだ。
　・・僕は、ゆうやが持ってるし。涼介はゆうとが持ってるから、
　・・いのちゃんは、大貴にいれてもらってね！！」・・・と・捲くし立てる。


驚いて・・一言も言えないでいると・・・


今度は、山田君が、
「ちょっっ！！
　・・オレ傘いらねーしっ！雨除けれっし！！」と、猛ダッシュして行った＿＿＿＿＿。


山田君を追いかけるゆうと君と・・

「じゃあね、お二人さん。明日ねぇー♪」

と・・知念とゆうや君も嵐の如く・・去って行った＿＿＿＿。


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿っっ！！


えっ・・え・えぇぇえぇ！！
・・・そんな・・待って・・お、置いてかないで・・。

きゅ、急に・・二人にされても・・こ、こまるよぉ〜・・・。


あ・りおかくんは・・なんか・・
・・眉間にしわ寄せて・・俯いてるし・・・

ど・・どうしよう・・
・・このまま雨の中を・・走って逃げて・・しまいたい・・・

・・・と・・涙目になって・・下を向いていたら・・・


「・・いのちゃ・・伊野尾くん、オレの傘はいりなよっっ！！
　・・いのちゃ、伊野尾くんは、電車通学？・・・・」と・・言ってくれた・・。


涙目だったから・・下を向いたまま・・頷く・・。



眩しいオレンジ色の・・あ・りおかくんにピッタリの傘＿＿＿。



その傘をパッと広げ、


「はいっ！！ありお“カサ”だよぉー！！」


と言って・・おれの手をグイッと引っ張る・・・。



ドキドキとうれしさと・・



あの時の『ありおカナブン』と一緒で



可笑しくって・・小さく「うふふ」と笑った＿＿＿＿＿＿。

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