自己満短編 (ページ2)

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卒業ページ2

笑顔で終えた卒業式だった。

友達にじゃあねとだけ言って学校を出たことを覚えている。

今までどの卒業式でも泣いていたのに高校の卒業式は泣かずに終わった。
私も涙腺が固くなったなと、その時しみじみ思ったのだ。

あれから1か月が経つ。3月も終わりに差しかかり、もうすぐ新生活が始まる。

受験の反動からかこの春休みはよく遊んだ。
地元の友達と久しぶりにあって話し、家族と旅行に行った。
入学式用のスーツを買い、髪を染め、ピアスを開けた。卒業したんだなあと思ってふっと笑みが溢れたこともあった。

新生活の準備は少し手間取るみたいで、最近みんなと会うことが無くなった。
下宿したよと友達から連絡が入った。

夜、ベッドに寝転びながらまた遊びに行かせてねと返信する。

「また」と打つと、予測変換に「明日」と出た。

なんとなく、予測変換を削除した。

目に入った自分の髪は以前より茶色い。
開けたピアスは、まだ少し膿んでいた。

「変わっていくなぁ」

ふと呟いた声は震えていて、目の端を涙が通った。

その時私はやっと卒業したのだ。