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田んぼ沿いの、少しぬかるんでいる道を手を繋いで歩いた。話題は専らメンバーの事で、この前のあの番組に出てた岸くん見た？とか、廉のラジオにどうしたら出してくれるのかとか、あのジンの髪型カッコよくね？とか、昨日玄樹くんとLINEしたよ、相変わらずだったとか。
会話の内容や、都心にいる時にはあまり感じれない匂いや音や景色に心が浄化されたようだった。
「みて海人、あんなとこにバス停がある」
「え、あれバス停？誰が使うのこんなとこ」
台風が来たらぶっ飛ばされちゃいそうな屋根の下に一つだけ置かれていたベンチに腰掛けた。目の前は向こうまで続く田んぼ、田んぼ、田んぼ。まぁまだ稲が植えられてないから1面茶色なんだけど。
「これ、なんの虫が鳴いてるんだろ」
「わかんないけど、結構綺麗じゃない？てかこの時期ってもう虫鳴いてるんだ。」
「田舎だからいるんじゃね？」
「ねぇそんな千葉馬鹿にしてたらジンに怒られるよ。」
「えっ、馬鹿にしてないよ、やべ、これ秘密な海人」
紫耀といるのは楽しい。人によっては退屈であろう場所や場面でも、俺らには関係なかった。それはここも例外ではなく、田園のど真ん中で、手を繋いでベンチに座って会話をする。たったそれだけで楽しかった。何か違和感は感じるけど、それでも隣に恋人がいてくれてる限りは別にどうだってよかった。
「広いなー。」
「･･････」
「こんなとこ、住んでみたいなあ」
「･･････」
「･･･何にも追われずに、のんびり暮らせそうだよね。」
思わずちらりと横を見た。地平線の遥かな先を見るような目が見えて、繋いだ手の力を強めた。1人で行かないで。俺ここにいるよ。勝手に消えないよね？
「かいと」
「ん？」
「2人きりで、生きてみる？」
さっきまで鳴いていた虫たちが嘘のように静まり返った。代わりに相変わらずわっさわさ揺れる葉っぱ同士が擦れる音が強く聞こえる。二人の間にぴゅうと吹いて頬を掠める風が、手袋を付けていない俺の指先を冷たくさせた。寒いね、まだ、寒い。
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うづこ(プロフ) - satsumaimo1995さん» satsumaimo1995ｻﾝはじめまして^^ わぁありがとうございます！続編は考えていませんでした(笑)検討してみます！ありがとうございます！ (2020年4月6日 22時) (
レス) id: f20b9b224c (このIDを非表示/違反報告)
satsumaimo1995(プロフ) - 初めて作品読ませていただきました！過去作も今から読みに行ってきます〜^^主演男優賞の世界の、部活引退した後とかの話読んでみたいです、復活するのかそのままなのか、はたまた別れた理由をカイちゃんが知っちゃうとか… これからも更新楽しみにしてます！ (2020年4月5日 20時) (レス) id: 0a8e78817c (このIDを非表示/違反報告)
うづこ(プロフ) - 音奈 きらりさん» きらりｻﾝはじめまして。私もすっかり昼夜逆転してしまいました(笑)。ほんとですか･･･ありがとうございます･･･。 (2020年3月30日 22時) (レス) id: f20b9b224c (このIDを非表示/違反報告)
音奈 きらり(プロフ) - コメントはじめまして。いつも読ませて頂いてます。今宵は、眠れずに徘徊中（単に昼寝しすぎただけ笑）です。えー！消さないで〜。短くてもまとまってるし、素敵ですよ。 (2020年3月30日 4時) (レス) id: ba403501a5 (このIDを非表示/違反報告)
うづこ(プロフ) - もこさん» もこｻﾝはじめまして^^ えぇ･･･！すごい励みになりますコメント下さりありがとうございます！頑張ります！ (2020年1月25日 20時) (レス) id: f20b9b224c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うづこ | 作成日時：2019年5月27日 2時
