幽霊、なればいんじゃね?

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｢あ......!?｣


怒りが上限を迎えた私は、思わず女子生徒に向かって声を上げた。




女子生徒はハサミを首から少し離し、こっちを見る。






｢怯えてないでやるって決めたらやりなさいよ!!!ただ、あんたに勇気が無いだけじゃない!!!



なのにそれを自覚しないで勝手に死んで、"未練"って言葉に甘えて人間界に入ってきてんじゃないわよ!!!



...やりたいことがあれば、好きなだけやればいいのよ。それがもし、ダメな事だったら






周りが全力で止めてくれるわ。



あんたが過去に何があったかは知らないけど、あんたのそれは未練じゃない。




自分に、勇気が足りなかっただけ。｣









私は周りの目なんて気にする暇もなく、目の前に立つコイツに言いたいことだけ言葉を投げつけた。









分かるんだ。







やりたかったことができずにこの世からいなくならなければならない辛さが。









｢お前に...何が分かるんだよ!!!｣




｢全部分かる。｣






｢人間が分かるわけないだろ!!!自分の命が無くなったことのない人間に!!!!!｣









幽霊にも、心があることを知っている。







元は、人間だったから。








女子生徒の頬に、涙が伝う。








｢そうね、私は自分の命がなくなったことはないけど






ずっとあんたみたいなのを見てきたから分かるよ。｣









泣かないで。なんてことは言わないけど








その代わりに、凄いことを教えよう。






｢やりたかったことは何_____?私は、あなたの未練を果たせることができるよ。｣









あの男の幽霊は、これを投げれば終わりって言ったけど。









一応凶暴化してる幽霊に、言葉なんて心に届かないでしょ。









だったら、未練を果たした方が手っ取り早い。

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