幼稚 ページ5
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『体育祭？』
「そーやで、なんや話聞いてへんかったん？」
侑と銀島くんとお昼ご飯を同じ机で囲む。侑は購買にさっさと寄ってきたようで パンを大きい口でかぶりつきもぐもぐと咀嚼している。
同じクラスである二人とこうして昼食を共にすることはよくあることであり、席が隣である侑はともかく 銀島くんは窓際の一番後ろである私の席までわざわざ来てくれていた。
『聞いてへん』
「堂々と言うな」
『聞いてなかったもんは聞いてなかった』
「むっちゃ楽しみやない？こういう行事、やる気出るわ〜」
まだまだ先であるのに侑はぶんぶんと腕を回している。いくら何でも気が早すぎるのではないだろうか。
「お、何してんの〜」
蒸し暑くなった教室を少しでも涼める為に開けていた廊下の窓から、聞き覚えのある声が聞こえる。購買帰りだろうか、角名くんと治がそこにいた。
「体育祭の話〜」
「なんや、お前らいつも三人で食うてるん？」
『そうやね、最近は一緒やね』
「ふ〜ん なんか妬けるなぁ」
治がそう呟いたのは意外だった
“そういうの” 興味無さそうなのに
「ほんならまたな」
「はいはい」
「またね〜」
さっさとご飯を食べたかったんだろう、治はすぐに自分の教室へと戻って行ってしまった。角名くんは私の方をちらりと見て少し口角を上げて…
『はよいけ！』
「いたっ、はいはい またね〜」
「A、角名には言い方きついな」
『………なんか、見透かされてるって感じして 嫌』
「あっはっはっはっは！」
大爆笑した侑の声が教室に響く。煩いし此方をちらちらと窺うような視線が正直に恥ずかしい。どうしてこいつは高校二年生にもなってこうも頭が幼稚なんだろうか。
「あ、今要らんこと考えたな」
『考えてません』
「おら言え、言ってみろ」
『痛い！頬をつねるな！ご飯食べてんねんぞ！』
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作者名：夜永 | 作成日時：2020年4月4日 20時
