疑問 ページ3
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彼等二人が幼馴染であることには、メリットもデメリットもあった。
話し始めれば数え切れないほどのエピソード。良くある女子からの呼び出し、同級生からのからかい、そんなものは毎年毎年恒例にすらなってきていた。
とは言ったものの、高校に入ってからの彼等の人気は更に右肩上がりだった。それに伴い 侑から無理矢理誘われて共にする登校で何度か目をつけられたこともあったが、侑がぎゃあぎゃあと騒いでくれたお陰でどうにか丸く収まっている。
「Aちゃん、ちょっといい？」
移動教室前 そう呼び止められたのは同じクラスの女の子だ。なんだまた双子のどちらかへの手紙かプレゼントか、それとも呼び出しか。
「Aちゃんて、治くんと付き
『え、そんなんないですけど』
「そうなんや！ごめんな、いきなり」
『いえ………』
「あ 別に私が彼女になりたいとかそういうのじゃないし、誰かに聞かされた訳でもないから！」
『大丈夫です 慣れてるので』
「あんだけ顔も良くてバレーも出来る幼馴染がしか双子やなんて、なんや面倒事多そうやなあ」
『……まあ、慣れたんで』
藪から棒にすまんな！、と改めて謝ってくれた同じクラスの女の子は そのまま行き先である移動教室の方へ走っていってしまった。
なんで治の方なんだろうか。現在同じクラスでもある侑の方が話すことも多いし、実際絡みも多い。まぁ気にすることでもないか、と移動教室へと歩みを進める。
「お前、さっきの奴に何言われとったん」
『あぁ侑か、なんでもないで大したことやない』
「またなんか言われたらきちんと言えよ」
『分かってるって』
侑は言い方こそ不器用であるものの、きちんと心配をしてくれている。勿論何も言わないが治だってそうだ。
大丈夫大丈夫、と適当に侑をあしらって 話題は昨日見たバラエティ番組の話になった。2年1組の前を通り過ぎた。
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作者名：夜永 | 作成日時：2020年4月4日 20時
