＊２＊スウォンの妹は四龍の敬慕【暁のヨナ】 (ページ5)

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第28.5話：過去編ページ5

幼ﾕﾝ『………そういえば、俺の名前教えてなかったね。』

俺は無理やり話題を変えた。

幼ﾕﾝ『俺、ユン。』

幼貴『ユン…いい名前ね＾＾』

何で笑ってるんだ?

さっき酷い事言ったのに…。

幼貴『ユン、何歳?』

幼ﾕﾝ『……9。』

幼貴『そっかー。何か弟みたい。』

幼ﾕﾝ『弟!?!?!?』

幼貴『そんなに驚かないでよ。嫌だった?笑』

嫌だよ。

こんな奴の弟なんて…嫌……

幼ﾕﾝ『別に…。』

あれ、俺何言って…。

幼貴『良かった。ユン、態度が冷たいから嫌われてるのかと思った。』

幼ﾕﾝ『……。』

幼貴『そろそろ帰らないとな…。道、わからないけど笑』

幼ﾕﾝ『帰るの?』

幼貴『うん。父上に怒られちゃう。』

幼ﾕﾝ『ねぇ、その目…見せてよ。』

俺はAの左目を指して言った。

幼貴『え……。…わかった、一回だけだよ。』

そう言ってAは髪をずらして左目を見せてくれた。

幼ﾕﾝ『っ』

左目はまるで燃えているかのように赤かった。

幼貴『はい、お終い。…それじゃあ、ばいばい、ユン。』

Aはスタスタと歩き始めた。

行っちゃう…。

え、俺…何、寂しいの?

絶対違う。お礼が言えてないから…。

……。

一人には慣れてるはずなのに…。

幼ﾕﾝ『待っ、て…!』

幼貴『ん…って、わっ』

気が付いたらAに抱きついていた。

幼貴『ユン!?!?』

幼ﾕﾝ『ごめん…なさい。立場も考えないででかい態度とって…。
　俺、王族とか貴族とか嫌いだから…。
　でも…Aは違う…。』

幼貴『ユン…。』

幼ﾕﾝ『あと、リンゴありがとう。美味しかった。』

幼貴『うん。』

幼ﾕﾝ『少し…わがまま言うけど、いい?』

幼貴『なぁに?』

幼ﾕﾝ『……また、来て…。』

幼貴『っ!!』

幼ﾕﾝ『Aは…俺の事、嫌いかもしれないけど…。
　俺はAの事、大好きだから。』

俺は熱い顔をAの胸に埋めた。

幼貴『嫌いなんかじゃないよ。私も大好き。』

幼ﾕﾝ(涙

幼貴『泣いてるの?ﾌﾌ、可愛い。大丈夫、また来るから。』

幼ﾕﾝ『約束。』

幼貴『うん。約束、ね。
　そうだ、じゃあこれあげる。』

Aが俺に差し出したのは首飾りだった。

幼貴『これね、私も同じの持ってるの。ほらね。だからお揃い。』

幼ﾕﾝ『大事にする。』

幼貴『うん、それじゃあね。』

幼ﾕﾝ『絶対、絶対また来てよね。』

幼貴『うん、約束だからね。』