＊２＊スウォンの妹は四龍の敬慕【暁のヨナ】 (ページ4)

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第28話：過去編ページ4

腹減った…。

もう食べ物といえる物はずっと食べてない…。

何か腹にたまるものは…。

『もう…ない…か。』

砂…虫…草…。

最近はもうこんなものしか食ってない。

もう食べ物じゃないな…笑

ｶｻ……ｶｻ……

誰かが…歩いてくる?

誰だ…。

動こうとしても、あまりにも空腹すぎて動けない。

ｶｻ…ｶｻ…

足音が近づいてくる…!!!

？『誰かいま…せんか…?』

女の子…?

？『誰か…。』

女の子の声は少し震えていた。

泣いてる…?

幼ﾕﾝ『誰…だ!?』

？『っ!あ…人…。』

誰だ…?

左目は髪で隠れていて…。

服装からしてこの辺の奴らじゃない事は確か。

しかも、身なりが…豪華すぎる。

王族か?

？『ちょ、大丈夫!?』

幼ﾕﾝ(ｸﾞ～

？『……お腹、すいてるの?』

幼ﾕﾝ『……あんた、誰だよ。』

？『えっ…?』

幼ﾕﾝ『だから、誰だって聞いてるの。』

？『私…は…。』

女の子は少し戸惑った。

？『私は…A。』

A…。

どこかで聞いた事あるような…。

そうだ、ユホンの娘で呪われているという子だ。

幼ﾕﾝ『あんた…呪われた…。』

幼貴『私の事…知ってるんだ。』

Aは少し悲しそうな顔をした。

幼貴『私、父上に内緒で城を出たら、迷子になっちゃった…笑
　あ、私の事は呼び捨てでいいよ。』

おいおい…迷子になるような歳じゃないだろ…。

大体俺と同じくらいか…それかもう少し上だな…。

幼ﾕﾝ『あんた、いくつ?』

幼貴『12よ。』

…やっぱ俺より年上か…。

幼貴『ほら、食べなよ。』

俺にリンゴを押し付けた。

幼ﾕﾝ『……。』

俺はそのリンゴを見た。

幼貴『……毒なんか入ってないよ。』

幼ﾕﾝ『んな事わかってる……。』

幼貴『お腹すいてるんでしょ。死んじゃうよ。』

幼ﾕﾝ『……いただきます。』

俺はそのリンゴをかじった。

幼貴『そんな物しかなくて…ごめん。』

幼ﾕﾝ『別に…。』

……何で俺はありがとうと言えないんだ…。

幼貴『それと…もう一つ、ごめんなさい。』

幼ﾕﾝ『何で謝ってんだよ。』

幼貴『貴方達のように苦しんでいる人がいるのに…何も…できなくて…。』

何だよ、こいつ。

幼ﾕﾝ『子供なんだから当たり前だろ。子供に何ができる。』

幼貴『それ…は…。』

俺は年上…お姫様相手に何言ってるんだ。

絶対怒ってる…。

ユホンに言いつけられたら殺される、俺。