＊２＊スウォンの妹は四龍の敬慕【暁のヨナ】 (ページ14)

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第37話：俺の分まで守って＊ﾕﾝSIDE ページ14

貴「ｽｰｽｰ」

ｲﾙｷﾞ「寝た、な。」

イルギが確認するように呟いた。

ﾕﾝ「イルギさぁ、毎日毎日そうやってんの?」

ｲﾙｷﾞ「ああ?…当たり前だろ。
　A……様が眠りにつくまでは俺も眠らねえ。」

……あ、

ﾕﾝ「ねえ今Aの事呼び捨てしようとしたよね。
　俺見て様付けたよね、ね?」

実際Aと様の間、大体三秒くらいあったよ。

ｲﾙｷﾞ「……うっせーな。おまえだって呼び捨てにしてるだろーが。」

ﾕﾝ「俺はAの従者じゃないしー?Aからいいって言われてるしー。」

ｲﾙｷﾞ「。」

あ、黙った。

言い返せないんだ。

ﾕﾝ「あんたも寝たら?ずっと起きてても酒とか出ないから。
　俺はまだそんな歳じゃないし。」

ｲﾙｷﾞ「んな事わーってる。大体、あんたこそ寝たらどうなんだ。」

ﾕﾝ「俺はまだやらなきゃいけない事たくさんあるから。」

薬草摩り下ろして、包帯取り替えて、

イクスの面倒も見て…あとは…なんだっけｗ

ｲﾙｷﾞ「……姫様の寝顔って幸せそうだよな。」

ﾕﾝ「え?」

ｲﾙｷﾞ「……散々辛い目にあったってのに、それを表に出さないで…。」

そっか…。

Aは大切な人を失った…。

兄と言う存在すら信じられなくなって…。

ｲﾙｷﾞ「俺がしっかりしてないから、姫様に辛い思いを…。」

あれ…、イルギ…泣いてる?

イルギの目に光るものがあった。

ﾕﾝ「……それは違うと思う。」

ｲﾙｷﾞ「？」

ﾕﾝ「Aは…サンサもスウォンも同時に失って、
　確かに辛い思いをしたと思う。でもさ…Aにはあんたがいるんだよ。
　一番信用できる人がすぐ傍にいるんだ。
　Aが辛い思いをするのは少なくともあんたのせいじゃない。」

ｲﾙｷﾞ「ユン…。」

ﾕﾝ「あんたはもう十分しっかりしてると思う。
　だって、誰よりもAを一番大切にしてるじゃない。」

……俺いい事言っ((

ｲﾙｷﾞ(ﾌｯ「そーだな。俺がこんなんじゃ始まらねー。しっかりしねーとな。」

イルギは自分で自分の頬を叩いた。

ﾕﾝ「……頑張ってよね。
　俺は戦うの嫌いだから、俺の分までAを守って。」

……そうだ、俺にはAを守る事はできないから…。