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こんのすけ side
突如現れた検非違使に追われ、暁月様はご自身を犠牲に我々を逃す事を選択しました。勿論止めようと致しましたが、主命と言われ、私は同田貫殿に抱えられて本丸へと戻りました。
そこからはただひたすらに必死でした。
大声で叫んで本丸中を走って、他の刀剣達にこの事を知らせました。一番早く「助けに行く」と名乗り出た六振りは
人間無骨、薬研藤四郎、明石国行、今剣、三日月宗近、数珠丸恒次でした。後者三人は審神者を忌み嫌って居たはず...しかしそんな考えは無く、彼の方をどうか助けて欲しいと懇願しました。
戻って来た彼等の抱えて居た血みどろの物体は、紛れも無く主様でした。
薬研殿に応急処置を施されては居ましたが、包帯は全て血に濡れ、殆ど意味をなして居ませんでした。
小夜「主！！！！」
前田「主君！！！」
主様の変わり果てた姿を見て刀剣達は血相を変え、手入れ部屋から新しい包帯や消毒液等を持って来て手当てをし始めました。三日月宗近は主様の体を縁側に置いて、薬研殿がテキパキと指示を出します。
もう審神者どうこう言っては居られない状況。主様を忌み嫌って居た三条や天下五剣、平安刀の面々すら主様の身を案じて居ました。中には、自身の有り余る霊力を使って止血を試みようとする者も。
薬研「こんのすけ！柘榴の旦那に連絡取ってくれ！これだけじゃ話にならねえ！大将が死んじまう！！」
薬研殿がそう叫び、私はハッとして急いで政府に戻りました
「柘榴殿、柘榴殿！！」
政府本部の廊下を走りながら柘榴殿の名を呼び、探す
柘榴「おお、こんのすけか。んな走って如何した？」
呑気にあくびをしながら柘榴殿は仮眠室から顔を出し、私は思わずしがみく
「主様がっ！検非違使に襲われて瀕死でっ、いつ亡くなってもおかしくはありません！！」
ぼろぼろと涙を流しながら簡潔にそう伝えると、柘榴殿と一緒にいた長義殿は顔を真っ青にさせ、私を先に本丸へ戻らせました
薬研「こんのすけ！マズイぞ、大将の脈が消えかかってる！！」
顔面蒼白で主様の手首を持って叫ぶ薬研殿。
三日月「審神者よ、まだ死んでくれるな。やっとそなたを信じる決心がついたのだぞ？」
主様の額に手を当てて霊力を流しながら、僅かに上擦った声で言う三日月宗近
「主様！主様、まだ死んではなりません！しっかりして下さい！」
主様の側に寄って大声で呼びかける
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作者名：如月 | 作成日時：2023年1月1日 21時
