私のブラック本丸更生日記 (ページ46)

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土砂降りの森の中で、鉄のぶつかり合う音が響く。
斬り斬られ、突き突かれの繰り返し。疲労でマトモに刀も握れなくなり、服を裂いて手に巻きつけて固定する。片目も見えない。お腹なんて、自分で見れないくらいに痛々しい

あーあ、私女の子なのになあ。ボロボロじゃん

それでも一心不乱に刀を振るう。彼等はもう逃れただろうなあ。どれくらい経ったんだろうか。一時間位？
あはは、分かんないや

ザシュッ

最後の大太刀にトドメを刺した。多分、最後。これで残ってたら、私が最後になっちゃうや。

『あはは.....』

ドシャガシャンッカランカラン

疲労と安心感で、その場にうつ伏せで倒れる。
あーあーあ、顔も服も泥だらけ(笑)歌仙に見られたら怒られちゃうな

『いっ、たぁ.....』

集中しすぎて分からなかった痛みが戻ってきて、顔を顰める。

『(こんな痛みで良く戦ったよ、私)』

乾いた笑みが溢れて、視界がかすみ、雨音も段々と遠くなってゆく。

ビシャアアアン！！

強烈な稲妻の音と、大太刀の咆哮。ドスンドスンという足音と共に僅かに私に影が刺した

『(あはは....検非違使か遡行軍のおかわりかぁ.....)』

もう指ひとつ、金縛りにあったかの様に動かない体では、応戦も出来ない。遠のく意識に頭上に居るであろう大太刀。私は静かに死を悟った

『(短い審神者人生だったなぁ....まあ自業自得だけど)』

スッと目を閉じて、意識を手放す。頭上からブォンと言う風を切る音が聞こえて、大太刀が私を斬ろうと振り下ろしたのだと察した

『(さようなら、こんのすけ。迷惑かけて御免なさい、柘榴さん、長義さん。ありがとう)』

「首を一突きィ！！」

「鎧なんざ、紙と同じよ！」

「えろうすんまへんなあ」

「あっはは！うえですよぉ！」

「これでどうだ？」

「破邪顕正！」

幻聴....かな、
私の意識はそのまま、闇の中へと落ちていった