私のブラック本丸更生日記 (ページ41)

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『.....うん、ごめん。ちょっと混乱してた』

胸の憤りは落ち着き、はあーっとため息を吐く。私ってこんなにキレやすかったっけ

長義「全く、君ねえ」

『あいてっ』

呆れ顔の長義さんにデコピンされ、額をさする。結構痛かった

柘榴「俺置いてイチャコラすんな」

『置いて行って無いしイチャコラもしてませーん』

柘榴さんの通報で男は連行され、私達は事情聴取された。まあ相手は柘榴さんだったので特に緊張せず長引かず。前田の手入れも合わせて三十分くらいで帰路に着いた

『ごめんね前田。私カッとなり過ぎちゃって....怖かったよね』

怒鳴りながら刀を振り回す人間なんて、大人でも怖い。前田もきっと怖かっただろうと、私はずっと罪悪感に苛まれていた

前田「...いいえ、とてもカッコよかったです」

着飾らず、褒め過ぎず。とても短くて真っ直ぐな言葉。フッと微笑んだその顔からは、緊張や恐怖は全く感じなかった

『....そっか』

ふふふっと笑い合って家に帰る。

『(....そういえば、何故私はあそこまで怒ったんだ？今まであんなに激怒した事は一度も無かったのに.....前田に何かあるのか？)』

ひとり悶々と考え込む。

前田「.....あの、主君、そんなにジッと見られると....」

『....え！？ああ！ごめんごめん！』

気付かぬ間に前田を凝視していた様で、申し訳無さそうに前田が言い、慌てて謝る私

『いやあ〜ちょっと気になる事があってね。どうしたもんかな....』

前田「ええ？」

《全くAは仕方ないねえ〜？》

『(.....あ)』

そっか、私

『前田と妹を重ねてたんだ』

やれやれと言った顔の前田に既視感を覚えたと思ったら、過去の妹とのやり取りが浮かんできた

前田「妹さん？」

『ああ、私には妹が居たんだよ。生意気だったけど、大事な妹がね』

もうメソメソして居られないけど、こう言う事があるとブルーになってしまう。

前田「.....あの、主君」

『ん？なに？』

前田「....”姉さん“と....お呼びしても良いですか....？」

『...え！？』

前田「駄目でしょうか....？」

『い、いや全然良いし、嬉しいんだけど、なんでいきなり？？』

前田「....秘密です！」

『ええ〜』

突然の前田からの”姉さん“呼びに戸惑うながらも、嬉しくてにやけてしまう。妹は名前呼びだったし、ずっと欲しかった弟が出来た様で、私は前田を弄りながら本丸の門を潜った

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前田「(言えないです。貴女の妹さんに嫉妬してしまったなんて)」