私のブラック本丸更生日記 (ページ37)

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大包平「しかし、日本号や次郎太刀が酒が飲みたいとうるさい」

『ははは！今日中に手配しておくよ！夜には届くだろうさ！』

やっぱり刀も十人十色。お酒が大好きな人もいるんだなぁ。日本号ってあれだよね、お酒の席ではっちゃけすぎて没収された槍。天下三名槍の正三位

鶯丸「....俺たちがこうやって暮らせているのも、主が手引いてくれていたからだったんだな」

『そんな大層なものではないよ。私は私のすべき事をやっているだけに過ぎないんだから。むしろもっと我儘言ってくれても良い』

大包平「...我儘と言えば、同田貫や新撰組の刀達が戦に出たいと常日頃愚痴っているな」

戦....出陣かあ...何処となく不安というか、心配だ。会ったことないけど

『ふぅむ....私、今武器作って貰ってるんだ。それが出来たら出陣してもいいよ』

鶯丸「何故武器が出来てからなんだ？」

『細かい事は気にするな』

鶯丸「分かった」

大包平「おい」

そろそろ良い時間なのでお開きに。今度小夜ちゃん達も来ると、帰り際に鶯丸達が教えてくれた

『.....待てよ？あの鳥達って刀だったんだよね？他にもまた来るって事？』

一体誰なのか気になる。私はそこまで刀剣に明るくないので、皆目見当もつかないが

『(取り敢えずそれはそれ。これはこれと言う事で)』

お茶菓子はもっとちゃんとしたやつの方がいいよね？羊羹とか最中(もなか)とか。うん....万屋に行ってみようかな

幸いまだ昼。夕餉の買い出しついでに買っておこう。
軽く身支度して離れを出る

本丸は日本家屋の様な構造で、本丸玄関の正面にゲート。玄関からゲートまでの道の端には大きな植木があるので、そこに隠れながらゲートを潜る。今度塀に穴開けとこうかな

「あの....」

『ﾋｮｫｯ！？！？』

突然真後ろから声をかけられて心臓が飛び出そうになった。ギギギギっと後ろを振り返ると、マントを羽織った男の子が。子供みたいな見た目だし、多分短刀

「もしかして審神者様ですか？」

『ハイ』

やばいやばいやばい殺られるかもしれん...短刀やっべえんだぞ虎を退治した短刀だっているんだからな

「いち兄を助けて下さり、本当にありがとうございます」

『っえ』

「いち兄から大方話は聞いています。僕達粟田口の中で、一番審神者を敵視していたいち兄が、戻ってきたあの日、貴女についてお話ししてくれました。他の兄弟達はまだ疑心暗鬼の様ですが、あのいち兄がそこまで言った貴女が、悪なはずありません」
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