私のブラック本丸更生日記 (ページ33)

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何処となく緊張感が流れる縁側。何故か監視されている気分になる。
先程から私の手をツンツンと突いたり、クチバシでつねってイタズラをしてくるが、まあ痛いは痛いが、怒るほどでは無し

こうやって動物と戯れたりするのはいつぶりだろうか.......11月に三人で猫カフェに行ったのが最後だったよね

『.....逢いたいなあ.....』

吐息と一緒に溢れた声は、耳の良い彼等にはしっかりと聞こえていた様で、「？」と首を傾げている。見事にシンクロしたので小さく笑いながら、これまでの事を話す

『私には妹がいたんだ。お父さんは居なかったよ。離婚したんだって。妹は年近で、生意気でツンデレ？な子でね。喧嘩する時は煽り合いだったり殴り合いだったりだいぶ激しかったけど、笑う時は笑い合って、泣く時は一緒に泣く。良い姉妹だったと自分でも思うよ。漫画に出てくる様に凄く仲が良いと言う訳では無かったと思うけど(笑)』

鶴達は静かに聴いている。鶯だけはナッツ貪ってるけど

『お母さんは強く厳しく且つ優しく。飴と鞭の使い分けがとても上手な人だったよ。けれど、人に甘えるのが下手だったから、よくわがままを言うフリをして遊びに誘って休ませてたよ。.....私は中学で剣道部に入ってたんだ。そして二年生で部長になるくらい強くなった。大変だったけどね。弱小中だったから大会では負け続きだったんだ。勝てた事なんて一度も無かったよ』

準決勝に行って負けた時はみんなで泣いた

『けど、この間初めて勝ったんだ！本当に僅差で、今までにないくらい白熱した試合だった。試合後は、皆んなで抱き合って大号泣だったよ(笑)勝利の余韻を残したまま、お母さんと妹の迎えを待ってた。初勝利って事で珍しく妹も一緒に来ててね、後で目一杯弄ってやろうと思ってたよ(笑)』

あの時の喜びがまた溢れて、思わず顔がニヤけてしまう。けれど、すぐに目頭が熱くなった

『.....何時間も待ってた。寒くて寒くて、けど何故か気にならなかった。ずっと、ボーッとしてた。......四時間位かな、辺りも真っ暗になってて少し怖かった。後ろの方から足音が聞こえてね？振り返ると大会の職員さんがいたんだ。「ご家族が亡くなられました」って。寝耳に水とはまさにあの事だね。話が全く入ってこなくて、気がついたら病院の霊安室で二人の亡骸眺めてた。そこから、糸が切れたみたいに泣いて泣いて泣きまくった』