私のブラック本丸更生日記 (ページ24)

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脳内と口で顔も知らない前任に悪態をつきながら今までにないスピードで掘り起こす。

『前任は万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死万死』

側からみたら異常者。
埋まっている刀は結構大きく、もう打刀サイズを超している。恐らく太刀。前任への呪詛をひたっすらに呟きながら掘りまくる

ボゴッ

『.....よ....よっしゃああああああ！！』

ようやく、ようやく太刀を掘り起こし、思わず両手で天に掲げる。因みに所要時間は一時間。死ぬわ

『手入れえええええええええ！！！』

太刀を傷つけず、且つ慎重に。腕に抱えて全速力(本日二度目)で手入れ部屋(仮)に駆け込む。スパァンと襖を開け、手入れ道具を持って床に広げ、綺麗な風呂敷を敷いてその上で太刀を抜く。

『ﾋｨﾝ』

案の定鞘の中には細かい石や砂が入り込み、抜く際に擦れて小さい傷が所所に。

『ざにわ暁月、いっじょうのふがぐ....(泣)』

ズビズビと鼻水を啜りながら、つい昨日本で読んだ刀の手入れ方法を思い出しながら。丁寧に手入れしていく

まず刀に一礼。
次に刃を上にして、反りに合うよう少しずつ鞘を引き抜く(ここは既にやった)
目釘抜きを使って目釘を抜く。
刀身を斜めか横に向け、手首を叩きながら茎を少し抜き出して、軍手(無くても可)をつけた手で茎を摘んでそのまま引き抜いて、刀枕に切先川を乗せる。

小夜「主、歌仙が怒ってたけど、何かあったの.....？....！刀...？」

小夜ちゃんが襖枠からひょこっと顔を覗かせた
ヤッベ廊下走ってたの歌仙にバレてる

『さっき庭に埋まってるのを見つけたんだ。今は手入れ中』

小夜「....見ても....いい...？」

『勿論いいよ。本で読んだ内容の見よう見真似だけどね』

「それでもいい」と、私の斜め後ろに座った小夜ちゃん。気を取り直して、手入れの続きだ

油用下拭紙を使って古い油を拭き取って、打ち粉を塗してまた拭き取る。
油布に油を染み込ませて、刀身に油を引いていく。
茎の根本をしっかり摘んで、柄に刺していく。しっかり嵌ったら柄頭を軽く叩いてピッタリと収め、目釘をはめて、また一礼