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役人 side
上司「柘榴。この子、スカウトしてきてくれ」
そう言って突然差し出された資料には、見覚えのある顔写真
「あれ、この子.....」
上司「一週間前の人身事故。ほら...ニュースにもなってたやつ。その遺族の子」
上司に言われてピンとくる
上司「その子の霊力は平均より上らしくてな。審神者の素質があるらしい。数年前にも母親に声かけたんだが、断られてな。不謹慎だが、天涯孤独の身になっちまったからチャンスだ。って課長がよ......」
「ああ、あの人ですか.....」
課長。人の傷口を平気で抉って塩を塗り込む様な最低な人。もちろん全員から嫌われている
上司「それにちょっとこの子心配なんだよ。親戚もいねぇらしいし、マスゴミがなぁ.....」
「課長と同じ位傷抉って来ますからね.....分かりました。行ってきます」
上司「おう、頼んだぞ」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿
ここか....少し古めのマンション。その一室に彼女はいる。
ピンポーン
インターホンを鳴らして少しすると、ガチャッと扉が開く。その先の光景に絶句した。
ボサボサに傷んだ髪、虚な目、濃い隈に青白い顔、泣き腫らした真っ赤な目
「(ここまでとは....！)」
「ッ大丈夫ですか！？」
つい呼びかけると、口をパクパクとした後、ふらりと彼女は前のめりに倒れた。
咄嗟に抱え込んだ為に地面との衝突は免れたが、意識が無い
「くそ...！」
長義「酷いね....一旦中で寝かせよう」
俺の相棒、山姥切長義が出て来て、彼女を横抱きして家に上がり込んでいく。俺も少々駆け足で追いかける
「どうだ？」
長義「顔色が全く良くならない。何故彼女は寝ていないんだ。腕に切り傷があるから、睡眠を拒否している様にも見えるが、じゃあこの机の上の睡眠薬はなんだ？」
少しイライラしているのか、口調が荒い
『＿＿＿、＿＿！』
件の彼女は、涙を流し、家族と思われる名前を呟いている
長義「.....家族の夢を見たくないから寝ていなかったのか...？」
「.....そうなのかもな」
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作者名：如月 | 作成日時：2023年1月1日 21時
