4話 ページ4
先輩方との顔合わせは、小柳くんのサポートもありスムーズに進んだ。もうすぐ宴もたけなわかな、という頃合いで、ヤツは現れた。
星導『遅れてすみません。まだやってますか?』
小柳『あれ、星導?お前来れないって…』
星導『ギリ間に合いそうだったんで』
小柳『…ふーん』
星導が来たことにより、不自然に黙ってしまう。先輩方から「あれ?マイク生きてる?」と聞かれ慌てて我に返り「大丈夫です!」と返事をした。
小柳くんからディスコのメッセージで『大丈夫か?』と飛んできたが、ここで甘えるわけにいかない。これからも星導とは関わっていかなくちゃいけない。否、私が関わりたい。ひとまず小柳くんに「大丈夫」と返信し、画面の方を見る。
星導『遅くなったんでAさん、拗ねてます?』
「拗ねないよ、子供じゃあるまいし」
星導『じゃあなんで黙ってるんですか』
「マイクの調子悪かっただけ」
星導『うそだ、カタカタ聞こえてたもん』
「めんどくせえ彼女か、貴様は」
星導とのテンポ良いやり取りに先輩方が笑う。「仲いいんだね」とまで言われてしまう始末。別に仲悪いわけではないが、どうにも気まずいと感じているのは私だけなようで、それがなんだか無性に腹立たしい。
「私のこと覚えてない癖に」
そう言ってから、しまった、と思った。空気を悪くしてしまったのではないか。先輩方を驚かせてしまったのではないか。星導に罪悪感を与えてしまったのではないか。色んな考えが頭を過る。
しかし、星導はあっけらかんと、
星導『覚えてないからって他人行儀になると拗ねる癖に』
なんて返答してきた。そして何故か、その返答にめるとが腹がよじれるのではないかと言う程笑っている。めると、酔っ払ってるな。
「なんで覚えてないのにそんなことわかるのさ!」
星導『いや、こんなわかりやすい人もいないでしょ』
その言葉に思わず固まってしまう。
VTAの初配信時、緊張してるのを見抜かれて「そんなことない!」と強がった私に星導が言ったのが「こんなわかりやすい人もいないでしょ」だった。
ああ、どうしよう。
ここにいる星導ショウは、私の知ってる星導晶じゃないのに。
もう一度、好きになってしまいそうだ。
小柳『…A、そろそろ締めないと』
「あ、そうか。もう時間…今日は起こしいただき、ありがとうございました!」
先輩方に画面越しに頭を下げる。小柳くんのフォローで助かった。
今度ホントに何か奢ってあげよう。
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よもぎもち(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます!彼を推してる方に好きって言って貰えてめちゃくちゃ嬉しいです!今後も頑張りますね! (12月26日 0時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 小悪魔時代の推しもタコの推しも狼くんも全員まとめて摂取できるのありがたいです…💕全部かわいくて日々の癒しになってます!更新も大変だとは思いますが、応援させて頂きます✨✨すきです (12月26日 0時) (レス) @page12 id: 93744aa2ce (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - asutaronpo_0822さん» ありがとうございます!デビュー前の話をするのは賛否あるかな…と思ってたので、好きと言ってもらえて嬉しいです! (12月19日 9時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 緋彩さん» Twitterで予告していたのですが、ついに書き始めました…!待っててくださりありがとうございます!頑張りますね!! (12月12日 15時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
緋彩(プロフ) - わ、ついに!きましたかこれ!!ありがとうございます!待ってました!頑張ってくださいね (12月12日 13時) (レス) @page5 id: 52cf1f8b28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2023年12月11日 20時