15話 ページ15
マネ「Aさん、この間おっしゃってた歌枠のセトリ、申請通りましたよ!」
「ありがとうございます!」
星導を避け続けてしばらく。このままでは良くないと色々考えた。考えた結果、全て歌に込めようと思ったのだ。
星導晶は私の歌声が好きだと言ってくれたが、星導ショウは私の歌を知らない。私のリスナーでいてくれる星導は、きっと聞きにきてくれる。
リスナーさん達、ごめんなさい。
この日だけは私信させてください。
さっそくスタジオを確保し、サムネ作りの用意をする。
配信タイトルは決めていた。
その名も「恋する貴方に送る歌枠」。
誰かに恋するリスナーを応援したい想いと、
私が恋する星導に届けたいという想いをかけた。
ダブルミーニングというやつだ。
星導に届くといいな。
アーカイブでもいいから、しっかりと聞いてほしい。
マネ「この間、登録者10万人いったでしょ。記念歌枠ってことにしたら?」
「あ…いや、記念配信は別でやるつもりです」
記念配信はさすがに全リスナーへ向けたものにしたい。この配信は本当に、私と同じ立場にいるリスナーと星導だけに向けたものだから。
マネージャーは「そう?」とだけ言って深く追求はしてこなかった。その様子に安堵の溜め息を吐く。
マネージャーとのオンラインミーティングを終え、本格的にサムネ作りに入った。どうすれば皆の目に止まるかな、なんて考えながら作業をしていると、スマホが震えLINEがきたことを告げる。
開くと、星導から。
星導『なんか最近俺のこと避けてない?』
そんなストレートな言葉に、身体が硬直する。私の返信を待つことなく、星導は文字を通して言葉を投げ掛けてきた。
星導『俺なんかした?』
星導『それとも』
文字だけでは温度感がわからず動揺する。星導、今どんなテンションでこれ送ってきてるんだ?そう思いながら画面を凝視していると、とんでもない言葉が送られてきた。
星導『好きな人でもできた?』
どうしよう。否定はできない、実際に好きな人できたし。でも「お前だよ」なんて言えたら最初から避けてない。
だけど、このまま誤解されているのは嫌だ。
私は咄嗟にスマホを取り、そのまま星導に電話をかけた。
星導『…もしもし』
「不安にさせたよね!ごめん!」
アカデミーにいた頃、私達は互いの気持ちを確かめ合うことは許されなかった。でもその代わり、互いを不安にさせることはしなかった。
私は馬鹿だ。
自分のことばかりで、星導を傷付けた。
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よもぎもち(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます!彼を推してる方に好きって言って貰えてめちゃくちゃ嬉しいです!今後も頑張りますね! (12月26日 0時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 小悪魔時代の推しもタコの推しも狼くんも全員まとめて摂取できるのありがたいです…💕全部かわいくて日々の癒しになってます!更新も大変だとは思いますが、応援させて頂きます✨✨すきです (12月26日 0時) (レス) @page12 id: 93744aa2ce (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - asutaronpo_0822さん» ありがとうございます!デビュー前の話をするのは賛否あるかな…と思ってたので、好きと言ってもらえて嬉しいです! (12月19日 9時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 緋彩さん» Twitterで予告していたのですが、ついに書き始めました…!待っててくださりありがとうございます!頑張りますね!! (12月12日 15時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
緋彩(プロフ) - わ、ついに!きましたかこれ!!ありがとうございます!待ってました!頑張ってくださいね (12月12日 13時) (レス) @page5 id: 52cf1f8b28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2023年12月11日 20時