12話 ページ12
歌ってみたの収録が終わって、再び事務所に戻る。デビューして１ヶ月経つが、未だにこの場所は落ち着かない。
同期がいないのも要因の１つかもしれない。１人でも頑張らなきゃって気を張っているから。でもそんな風に弱気になっていられるのも今のうちだ。今度正式に都々たちのデビューが決まったらしい。VTAで仲が良かった同期がデビューするのは嬉しいが、3期生の子も一緒とのことなので正式に先輩になることに緊張もある。
ソワソワしながら廊下を歩いていると、後ろから「あの」と声をかけられた。
振り返ると、可愛らしいピンクの髪に美しい水色の瞳。
一目でわかった。夕陽リリ先輩だ。
星導を気にかけている先輩。
記憶をなくした星導に、今１番近い女性。
夕陽「これ、落としましたよ」
夕陽先輩はそういうと薄紫のハンカチを差し出してきた。間違いなく私のものだったので、ありがたく頂戴する。
「ありがとうございます」
夕陽「いえいえ。こんな綺麗なお姉さんに声をかける口実ができたんだから、このくらいお安いご用です」
「綺麗だなんて、そんな」
夕陽「ご謙遜を。噂に違わぬ美人ですよ、AAさん」
名を知られていたことに少し戸惑う。天下の２期生様の耳まで届く噂ってなんだ。こんな一端の新人なのに。
夕陽「これも何かのご縁です、よかったらお茶でもいかがですか」
そういって夕陽先輩は王子様がお姫様にするような自然な仕草で私の手を取った。可愛い顔して凄いグイグイくる、この人。動揺していると、背後から「リリさん！」と耳をつんざく大声が。
声のする方に目をやると、何やら星導が猛ダッシュで駆け寄ってきていた。星導は私の前に立つと夕陽先輩に通せんぼのように立ちはだかる。
星導「ちょっと！うちの子ナンパしないでください！」
夕陽「これは失敬。星導には勿体無いくらい可愛い子だから欲しくなっちゃって」
星導「あーもう！リリさんに恋愛相談なんかするんじゃなかった！」
２人の会話に顔が赤くなる。つまり、噂の元は星導で、私が美人だとか何とか吹き込んだのは星導で、夕陽先輩は星導から恋愛相談されてて？
夕陽「いいじゃないですか、ちょっとくらい。ねぇ、Aさん？」
「え、あの」
夕陽先輩が一歩こちらに近付くと、星導が覆い被さるように私を抱き締めた。
星導「だめです！」
星導の力強さに、私は自分がゆでダコになるのを感じた。
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よもぎもち(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます！彼を推してる方に好きって言って貰えてめちゃくちゃ嬉しいです！今後も頑張りますね！ (12月26日 0時) (
レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 小悪魔時代の推しもタコの推しも狼くんも全員まとめて摂取できるのありがたいです…💕全部かわいくて日々の癒しになってます！更新も大変だとは思いますが、応援させて頂きます✨✨すきです (12月26日 0時) (レス) @page12 id: 93744aa2ce (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - asutaronpo_0822さん» ありがとうございます！デビュー前の話をするのは賛否あるかな…と思ってたので、好きと言ってもらえて嬉しいです！ (12月19日 9時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 緋彩さん» Twitterで予告していたのですが、ついに書き始めました…！待っててくださりありがとうございます！頑張りますね！！ (12月12日 15時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
緋彩(プロフ) - わ、ついに！きましたかこれ！！ありがとうございます！待ってました！頑張ってくださいね (12月12日 13時) (レス) @page5 id: 52cf1f8b28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よもぎもち | 作成日時：2023年12月11日 20時
