11話 ページ11
あのアフタヌーンティー以来、星導は隙あらば好意を伝えてくるようになった。私が、私達が、ずっと想っていても言えなかった「好き」という言葉を、真っ直ぐに伝えてくる。
小柳「俺から言おうか？」
「なにを？」
小柳「星導。最近グイグイ行きすぎだって」
最近の星導は、小柳くんから見ても押せ押せらしい。第三者から言われるって相当だ。
「大丈夫だよ、ハッキリしない私が悪いんだし」
小柳「だけど…」
「そんなことより、お互いマネージャー遅いね！道混んでるのかな」
露骨に話を反らしてしまった。今は歌ってみたの収録があるのだが、時間より早く来すぎた為マネージャー待ちの状態だ。時間を潰そうと待合室にいたところ、通りかかった小柳くんに声をかけられた。
小柳「お前は良いかもしれないけど、俺が良くないんだよ」
「なんで小柳くんがそんなプリプリしてんのさ」
小柳「なんでって…お前ホントにわかんねぇの？」
小柳くんの言葉に首をかしげる。そりゃあ、星導の相方として言いたいことはあるのかもしれないが、これは私と星導の問題だ。小柳くんが怒る理由がわからない。
小柳「俺は、お前が…！」
マネ「すいません！遅くなりました！」
声のする方を見ると、マネージャーが駆け寄ってくる。小柳くんに気付くと「あれ？小柳さんもご一緒だったんですか？」と声をかけた。
マネ「小柳さん、このあと打ち合わせじゃありませんでしたっけ」
小柳「…すいません、もう行きます」
小柳くんは立ち上がって私のことをチラッと見ると、「また今度な」と頭を乱暴に撫でて去っていった。
マネ「…なんですか今のイケメンの言動。俺なら惚れちゃいますね」
「マネージャー、ちょろすぎますよ」
マネ「えー！女の子的にああいうのキュンとこないんですか！あんなの格好いい男にしか許されないでしょ！」
マネージャーの言う通り、キュンとくるから困る。小柳くんは自分が格好いい男の子なんだと自覚した方がいい。
以前は血生臭くて苦手だった手が、今では優しく暖かいと感じるようになってしまった。人の印象って変わるもんだな。
VTAにいた頃から、彼ともっと仲良くしていたら、もっと楽しかっただろうな。でも、星導は嫉妬したかもしれない。今だって小柳くんに敵意むき出しな時あるし。
あぁ、また星導のことを考えてる。
気が付くと思考に過る小悪魔が、また私の頭を支配した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 682人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よもぎもち(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます！彼を推してる方に好きって言って貰えてめちゃくちゃ嬉しいです！今後も頑張りますね！ (12月26日 0時) (
レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 小悪魔時代の推しもタコの推しも狼くんも全員まとめて摂取できるのありがたいです…💕全部かわいくて日々の癒しになってます！更新も大変だとは思いますが、応援させて頂きます✨✨すきです (12月26日 0時) (レス) @page12 id: 93744aa2ce (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - asutaronpo_0822さん» ありがとうございます！デビュー前の話をするのは賛否あるかな…と思ってたので、好きと言ってもらえて嬉しいです！ (12月19日 9時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 緋彩さん» Twitterで予告していたのですが、ついに書き始めました…！待っててくださりありがとうございます！頑張りますね！！ (12月12日 15時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
緋彩(プロフ) - わ、ついに！きましたかこれ！！ありがとうございます！待ってました！頑張ってくださいね (12月12日 13時) (レス) @page5 id: 52cf1f8b28 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：よもぎもち | 作成日時：2023年12月11日 20時
