2話 ページ2
初配信を観たとき、何が起きたのかわからなかった。
私の知らない星導が、そこにいた。
正体を隠していたとか、騙されていたとか、そんなことだったらどれ程よかったか。彼は別人になっていた。記憶を全て失くして。思い出を全て失って。
およそ半年後、VTA内でトラブルが起きた都合により私はソロデビューが決まった。本当は都々や鬼伏くんと一緒にデビューという話も出ていたが、二人はもう少し時間がかかるらしい。
初めての事務所にいくと、同期のいない私を哀れに思ったマネージャーが気を利かせて、元VTAの皆を集めてくれていた。鏑木先輩やVOLTACTIONの先輩方、のぞみにめると、宇佐美くんや佐伯くん、小柳くんに挨拶して、やっぱりいないかと思いながら部屋を出ようとすると、「遅れてすみません」と聞き慣れた声と共に一人の少年が入ってきた。
星導「初めまして、Aさん。星導ショウです」
たった一言。「初めまして」のその一言で、頭を殴られたような衝撃を受ける。彼が、星導が私を覚えていない。そんなこと半年前にわかっていたはずなのに、ライバーとしてのロールプレイではなく事実なのだと痛感させられて、立っていられないくらい辛い。
石神「ちょ、ちょっと！Aちゃんは元VTA生だから初めてじゃないんだってば！」
星導「ああ、そうでした。すみません、記憶喪失なもので」
「…いえ、大丈夫です。ハジメマシテ、星導さん」
今にも泣きそうな、震え声が出る。なんとか笑おうとしてみせているが、上手く笑えているだろうか。星導は数回瞬きをすると、首を傾げた。
星導「すみません、前から俺に敬語でしたか？」
「え、いや、今の星導さんは初対面なので一応使ってるだけです」
星導「ふーん。じゃ、やめてもらえます？なんか寒気するんで」
こちらの台詞だと言いたい。貴様こそなんだその敬語は〇すぞ、と言いたい。涙が急激に引っ込んで怒りに変わり、わなわなと拳を震わせる。
星導「すみません、怒りました？」
「べ つ に ！」
星導「怒ってるじゃないですか」
背後で同期や先輩達が困惑している雰囲気を感じるが、知った事ではない。こんなやつ星導じゃない。私は絶対認めない。そう思っていた。
星導「まぁ泣かれるより怒られてる方がいいや」
小声で彼がそう言うのを、この耳が拾うまでは。
ああ、なんだ。
泣きそうなの、バレてたんだ。
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よもぎもち(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます！彼を推してる方に好きって言って貰えてめちゃくちゃ嬉しいです！今後も頑張りますね！ (12月26日 0時) (
レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 小悪魔時代の推しもタコの推しも狼くんも全員まとめて摂取できるのありがたいです…💕全部かわいくて日々の癒しになってます！更新も大変だとは思いますが、応援させて頂きます✨✨すきです (12月26日 0時) (レス) @page12 id: 93744aa2ce (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - asutaronpo_0822さん» ありがとうございます！デビュー前の話をするのは賛否あるかな…と思ってたので、好きと言ってもらえて嬉しいです！ (12月19日 9時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 緋彩さん» Twitterで予告していたのですが、ついに書き始めました…！待っててくださりありがとうございます！頑張りますね！！ (12月12日 15時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
緋彩(プロフ) - わ、ついに！きましたかこれ！！ありがとうございます！待ってました！頑張ってくださいね (12月12日 13時) (レス) @page5 id: 52cf1f8b28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よもぎもち | 作成日時：2023年12月11日 20時
