1話 ページ1
VTA(バーチャル・タレント・アカデミー)。
そこでは皆、己の素性を隠し、対等な生徒として通学する。
それでも葬儀屋の私には、血の匂いがする人はわかってしまう。
１期生の先輩方の中にも血の匂いがする方はいたけれど、現役ではないんだろうなって感じ。ここにくる以前の話を掘り返しても仕方のない事だ。
だけど、同期に現在進行形で血の匂いをさせている子がいる。
小柳ロウくん。彼はどうにも好きになれない。
だけど彼は私の想い人の…親友？相方？のようなポジションで。どうにも関わらないわけにはいかない、もどかしい立ち位置の人間だった。
「るべ、あんまり小柳くんに深入りしないで」
星導「ぴょん？なんで？」
「るべが心配だから言ってるの」
星導「つまりヤキモチだ」
「違うってば！」
私と星導は別に付き合ってはいない。お互いライバーデビューを目指している身として、そういうのは許されないだろうなぁと。なんとなく言葉にしなかった。しかし、まぁ、互いは勿論のこと同期は皆知っている「公認の仲」というやつだった。
星導に、どんな過去があるのかは知らない。でも彼はいつも清廉な空気を纏っていた。そんな彼が大好きだった。彼も私を好いているという事実が、たまらなく嬉しかった。
そんなある日のこと。
星導「A。俺、卒業が決まった」
「え…嘘、にじさんじ？」
星導「そう。デビュー」
「おめでとう！！！！」
思わず星導に抱き着く。いつもなら遠慮する距離だけど、今日だけは許してほしい。だってこれから星導は学校を出て、どれくらいになるかわからない期間行方をくらませて、私とは連絡もできない関係になるのだから。
「私も絶対デビューするから待っててね！」
星導「なるべく急いでね」
「はいはーい！初配信100回は見る！」
星導「足りないって。1000回は見て」
「さっきから生意気！」
出来る限り楽し気に、嬉しそうに話すことを心がける。出ないと本心が漏れ出てしまいそうだったから。先にデビューすることへの嫉妬が。貴方を失うことへの不安が。貴方に伝わってしまいそうだったから。
星導は私をそっと抱きしめ返すと、小さい声で言った。
星導「ずっと、ちゃんと待ってるから」
「うん」
星導「…大好き」
私がずっと言えなかった言葉を耳元で呟き、星導晶は卒業していった。
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よもぎもち(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます！彼を推してる方に好きって言って貰えてめちゃくちゃ嬉しいです！今後も頑張りますね！ (12月26日 0時) (
レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 小悪魔時代の推しもタコの推しも狼くんも全員まとめて摂取できるのありがたいです…💕全部かわいくて日々の癒しになってます！更新も大変だとは思いますが、応援させて頂きます✨✨すきです (12月26日 0時) (レス) @page12 id: 93744aa2ce (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - asutaronpo_0822さん» ありがとうございます！デビュー前の話をするのは賛否あるかな…と思ってたので、好きと言ってもらえて嬉しいです！ (12月19日 9時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 緋彩さん» Twitterで予告していたのですが、ついに書き始めました…！待っててくださりありがとうございます！頑張りますね！！ (12月12日 15時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
緋彩(プロフ) - わ、ついに！きましたかこれ！！ありがとうございます！待ってました！頑張ってくださいね (12月12日 13時) (レス) @page5 id: 52cf1f8b28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よもぎもち | 作成日時：2023年12月11日 20時
