誰が為のダイエット ページ10
> なにのんでるの?
「水だよー!」
> 水?!
> 珍しい
> 水のように飲んでるイチゴオレではなく?
「イチゴオレ飲みたいんだけどさ、最近太っちゃって」
> あーね
> 糖分だからなぁ
「イチゴオレマスターの座は、しばらく葛葉に譲るわ」
> かりんちょりんだからなw
> イチゴオレ推しのライバルだもんね
「じゃあ今日も配信きてくれてありがとー!よかったらチャンネル登録ツイ…Xのフォロー等々、よろしくお願いしまーす!」
> X慣れないねwww
> おつみなー
> おつみな!
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最近太った。明確に。感覚値じゃなく。エグいぐらい。
Xでは某ファーストフード店で期間限定発売しているいちごパイの写真を私のパペットと共に撮っている写真が大量にあげられている。
「食べたい…イチゴオレも飲みたい…」
冷蔵庫には買い貯めしていた大量のイチゴオレ。これらは葛葉に消費してもらうとして。
「運動しないとなぁ…」
葛葉「別に気にするほどじゃなくね?」
「いやそれは節穴…何キロ太ったと思ってんの」
葛葉「何キロ?」
「葛葉一人分」
葛葉「んなわけ」
葛葉は私に甘すぎる。皆に太ったって言われる程に太ったのに、気にするほどじゃないわけあるか。
あの、体重に関しての言動に厳しいひまちゃんでさえ「まぁ、Aは元が細かったからなぁ」と言ってくるぐらいだから相当なのだ。
自分だけなら笑って済ますのだが、葛葉の彼女として恥ずかしい。
「私もSYMPHONIA出たかった…ダンスレッスンがあれば!」
葛葉「そんな不純な動機で出たがるやついねぇよ!さくゆい劇場でメインステージ出られるだけありがたいと思え!」
葛葉は笑いながら私の隣に座り、「おら」と言いながらお腹をつついてきた。
「やめろ!!ライン越えだぞ!!」
葛葉「別に女子なんだからこれくらい普通だろ」
「やだ。早く痩せて配信でイチゴオレ飲むの」
葛葉「なにそのこだわり」
別にどうってことはない。本当に些細なこだわりだ。だけど、私にとっては重要な問題なのである。
「葛葉と好物が一緒っていう、数少ない共通点だし」
葛葉「は」
「あんま配信上だと絡み薄いから、そういうの大事にしたいんだもん」
だから痩せなきゃ、と溢すと葛葉はクソデカ溜め息をついて、手に持っていたイチゴオレを飲み干し、私の頬を掴むとそのままキスをする。
葛葉「しばらく、これで我慢しろ」
口のなかいっぱいに、イチゴオレの味が広がった。
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よもぎもち(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!大変モチベーションになります!!続きも頑張りますね! (2月12日 18時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
めめ - めっちゃ好きですこの話!!続き楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2月12日 17時) (レス) id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2023年11月13日 19時