交錯する想い ページ50
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰside 葛葉ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
Aのコラボの一件に関する切り抜きを見た。
出ているメンバーはA、椎名、イブラヒムの三人。
椎名はともかく、イブラヒムがこの件に触れるのは皆意外だったようで、コメント欄では「イブって結構Aに優しいよね」「イブみなワンチャンあるか？」なんて盛り上がっている。
当然だが、俺はこの件に表向きは関与していない。
Aとのコラボだって数える程だし、それも遠い昔の話だ。付き合ってからはお互い表で関わるのを暗黙のうちに避け初めて、今では殆ど絡んでいない。
一方でイブラヒムは、直近で仲良くしてる男性ライバーのトップだ。さくゆい劇場でも、マリカコラボでも、イブラヒムの声色がやたら優しいと話題になっていたのもあって、今回の切り抜きで更に火が着いたようだ。周年記念配信ツイートにリプを送っていたのも話題になっていた。
あいつは炎上が怖くないのか。
俺は呆れ3割、嫉妬7割で画面越しのイブラヒムを眺める。
リスナーからすれば、イブラヒムはAを守るために声をあげた一人で。Aのために動いた勇気ある人間で。
俺は我関せずの部外者。納得がいかない。
「葛葉！私そろそろ帰るね！明日に備えなきゃ」
葛葉「んー…」
Aがこの歌枠のために色々と準備してきたのは知っているので、帰ってほしくない、とは言えず。「葛葉？」と可愛らしく首を傾げるAの手を引き寄せ抱き締めて、首筋に顔を埋める。
「んふふ、甘えたな気分？」
葛葉「べつにぃ」
あからさまに不貞腐れた声を出してしまった。Aはクスクスと笑いながら俺の髪を鋤く。
「ねぇ、葛葉。明日の歌枠できれば聞いてほしいな。アーカイブでもいいからさ」
葛葉「…いいけど」
コイツ、もしかして俺の曲を歌うのをサプライズだと思ってないか。マネージャー通して音源渡したの俺なんだが。
ライバー楽曲縛りなんて風変わりなことをすると思ったら、どうやら許可取りのために連絡を取ることでライバー達と交流を図っていたらしい。今年は本気で色んなライバーと仲良くするつもりかもしれない。
葛葉「早く公表してぇなぁ」
Aの左手の薬指に嵌められた指輪をそっとなぞる。
リスナーに伝えるのはきっともっと先だろうが、せめてライバーには伝えてしまいたい。
コイツは俺の物だって、知らしめてやりたい。
「葛葉はヤキモチ妬きだもんね」
そう言うとAは全てを見透かしたように笑った。
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よもぎもち(プロフ) - めめさん» ありがとうございます！大変モチベーションになります！！続きも頑張りますね！ (2月12日 18時) (
レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
めめ - めっちゃ好きですこの話！！続き楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2月12日 17時) (レス) id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よもぎもち | 作成日時：2023年11月13日 19時
