私の体質 ページ31
あの後なんとか乗り越えて家に帰り、今は唯華と歌ってみたの打ち合わせ中だ。歌いたい曲を画面共有で唯華に聴かせて判断して貰う。
椎名「うん、これなら覚えられそう。歌詞も良い感じ」
「ほんと?じゃあこの曲に決まりだね!」
通話越しの唯華の声に安心する。今日は疲れた。白雪さんも不破さんもきっと悪い人じゃないんだろうけど、私の体質に影響を受けすぎている。
椎名「…なんかあった?」
「ん…今日初めてあった人にアプローチされちゃって」
椎名「あぁ、お疲れ」
唯華は私の体質に関して、今さら驚いたりしない。もっと酷い経験をたくさん見てきた仲だ。ちょっとアプローチを受けたくらいなら笑って流せる。
「婚約指輪、指につけないでネックレスにしてたんたけどバレちゃった」
椎名「えっ?大丈夫だったん?それ」
「まだ俺と出会ってなかったんだから他の男と付き合ってても仕方ないって言われた」
椎名「やば。枕元立たれるかもしれんから御札貼っとき」
何度でも言うが、不破さんが嫌いなわけでも不破さんが悪人だと思ってるわけでもない。ただ私の体質がいけないのだ。どんなに好い人でも、厄介な生き霊に変えてしまう。
更に言えば不破さんのことを好きな女性の生き霊が来る可能性も多分にある。思念というのは相手のことを知らなくても「◯◯さんの好きな人」とか、そういう大雑把な宛先で飛ばせてしまうものだ。
椎名「やっぱり葛葉と一緒に住んだら?」
「んー…ワンちゃんがいるからなぁ。配信に音のったらアウトだし…」
婚約までいってるのだから、そういう将来のことも具体的に考えなくてはいけないとは思っていた。けど今は、ひとまずライバーにさえ公表できない状態のため、慎重になる必要がある。
あれだけ高位の吸血鬼が側に入れは、低級の霊は寄ってこない。一緒に住めば結構諸々が解決するのは確かだ。
椎名「最近はちゃんと寝られてるん?」
「割かし。金縛りはよく遭うけど」
霊達は昼夜関係なく押し寄せてくるが、やはり昼の方が夜よりは寄ってきにくい。そのため最近はずっと昼間に1時間とか長くても3時間とか寝て、夜眠れないのを誤魔化している。おかげで毎日合計5〜7時間睡眠だ。
昔は暗闇も閉所も怖くて、眠るのがとにかく嫌いだった。
その頃に比べたら随分と健康的になったものだ。
椎名「困ったときはちゃんと葛葉を頼るんよ?」
唯華の言葉に私は力強く頷いた。
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よもぎもち(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!大変モチベーションになります!!続きも頑張りますね! (2月12日 18時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
めめ - めっちゃ好きですこの話!!続き楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2月12日 17時) (レス) id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2023年11月13日 19時