魅了中毒者 ページ29
話したこともない相手に「好きだ」と言われることにも、執着されることにも、慣れていた。それが私の霊媒体質から来るのだということは、幼い頃に出会った狐の神様が教えてくれた。
にじさんじは皆優しくて、人間以外の存在がたくさんいる。同じ人間でも、剣持みたいに霊症に耐性がある人もたくさんいる。そんな場所だから、ありのままの私を受け入れてもらえるかもしれない。そう思ってこの事務所に入った。
語部と同期だったのは、運命かもしれない。
そのおかげか、同じく同期の春香や美夜子も霊症に僅かながら耐性ができている。
噂によると運営さんも、神様や悪魔もいる事務所だからと面接時に耐性のある人だけを選んでいるらしい。
この事務所こそ、私の居場所なんだ。
あとは私が勇気を出して、人見知りを乗り越えるだけだ。
そう思ってたんだけどな。
不破「初めまして！Aさん！好きです！」
白雪「はぁ？！私の方が好きだから！Aちゃん、お姉さんとたぁーくさん、仲良くしましょうね♡」
後ろでグウェルさんが頭を抱えている。冷静なエルフが一人いて本当によかった。
事務所に用事があって廊下を歩いていたところ、周年記念の打ち合わせをしていたらしい夜王国とすれ違った。グウェルさんからは何度かコラボのお誘いをいただいていたが、私が緊張やら多忙やらで断っていた件もあり、一度ご挨拶しようと勇気を出した途端にこれだ。
右手を不破さん、左手を白雪さんに握られて身動きが取れなくなる。
不破「いや俺、ガチで、Aさんの配信全部観てて。この間の歌もまじよかったです！」
「あ、ありがとうございます…」
白雪「ちょっと湊ちゃん！Aちゃん困ってるじゃない！距離感ってものがわからないの？！」
グウェル「白雪殿も困らせてます。距離感を弁えてください」
グウェルさんが二人の腕を引き剥がしてくれる。
グウェル「噂には聞いてましたが、まさかここまでとは」
「噂？どんな噂ですか？」
グウェル「皆子殿には、対人間の魅了(チャーム)がついてるって噂です。出所は運営スタッフからですね」
そんな噂になっているのか。なんだか恥ずかしい。
白雪「ところで」
白雪さんがニコニコの笑顔で語りかけてくる。口調は優しいのに、何故かオーラがドス黒い。嫌な予感がして、一歩後退りする。
白雪「その指輪は、誰からのプレゼント？」
白雪さんはそう言って一歩近づくと、ネックレスに通してあった婚約指輪を掴んだ。
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よもぎもち(プロフ) - めめさん» ありがとうございます！大変モチベーションになります！！続きも頑張りますね！ (2月12日 18時) (
レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
めめ - めっちゃ好きですこの話！！続き楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2月12日 17時) (レス) id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よもぎもち | 作成日時：2023年11月13日 19時
