ENCOUNT ページ27
今日は朝から葛葉の家にお邪魔して、葛葉の家にある巨大テレビでゲーマーズライブを鑑賞させてもらった。もう何度も経験しているが、家主不在の家はソワソワしてしまう。
葛葉には事前に「本番は唯華のことで頭いっぱいになると思う、ごめん」と謝っておいた。物凄く呆れた顔をされたが本人もそれは想定内だったらしく、「へいへい」と適当に返事をされ、いなされて終わった。
21:00
緑仙の描いたイラストによる、コミカルな前アナを眺める。緑仙の描く唯華も可愛いな。
そしていよいよステージが始まった。
最初の曲は「クロノワさくゆい」の歌。私は当初の予定通り、唯華を追いかける…はずだった。
気が付くと、葛葉を目で追っている自分がいる。
気が付くと、葛葉に耳を傾ける自分がいる。
葛葉の歌に、動きに、表情に、知らない内に魅入られていた。どれを取ってもかっこよくて、でも時折みせる無邪気な仕草が可愛らしくて。
唯華を見逃したくないという気持ちと葛葉を追いかける自分が責めぎ合っていたが、途中で思い直した。これは唯華を追う用と葛葉を追う用でアーカイブを見直さなきゃいけない。ちなみに唯華を追うだけで5回は見るつもりでいたので、最低でも6回は視聴することになる。
まぁ去年のアーカイブも数えきれないくらい見てるから、結局今回もそうなるのだろうけど。
ゲーマーズにいるときの葛葉は楽しそうで、私に見せるのとはまた違う表情をしている。それが私は愛おしくて堪らない。
アンコールを含めた全ての演目が終わって、配信が終了する。私はすぐに唯華へ長文の感想メッセージを送りつけた。
いつもならここまでなのだが、今回は特別に葛葉にもメッセージを送る。
『唯華に集中するはずが、気が付いたら目で追ってた。
かっこよかったよ。お疲れ様!』
唯華はいつも既読が遅いし、ライブ後は皆疲れてるのだろう。と、思っていたのだが、葛葉から速攻で返信がきて驚く。
葛葉『すぐ帰るから、そのまま起きて待ってろ』
『ケーキあるんでしょ?こっちは気にしなくていいから、ゆっくりしておいでよ』
葛葉『会いたい 帰る』
ストレートな文章に笑ってしまう。さっきまであんなにステージで輝いていた彼が、私に会うために帰ってくる。その事実がむず痒い。
私なんかのために、そこまでしなくていいのに。
アーカイブを流しながら画面越しの葛葉を眺め、改めて実感する。
この人が、私の恋人なんだ。
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よもぎもち(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!大変モチベーションになります!!続きも頑張りますね! (2月12日 18時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
めめ - めっちゃ好きですこの話!!続き楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2月12日 17時) (レス) id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2023年11月13日 19時