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ライバルの芽 ページ20

ーーーーーーーーーーーーーside 葛葉ーーーーーーーーーーーーー

このあと配信があるからと、早々に帰るAをマネージャーと一緒に見送る。

葛葉「気をつけて帰れよ」

「心配性だな、大丈夫だよ!じゃあね!」

走り去るタクシーに手を振っていると、マネージャーが真剣な顔付きで俺を呼んだ。

マネ「運営側でも相談のうえ、なるべくライバーのコントロールはしますが…Aさんのことを想ってるライバーがどう動くか…」

葛葉「大丈夫っすよ。勝負するって決めたんで」

甲斐田や不破っちのような「ガチ恋ファン」なんてまだ良い方だ。ライバーのなかにはAに心底惚れ抜いているやつがいる。それを恋愛と呼ぶかは不明だが、俺のことを快く思わないのは確かだ。

だから、牽制した。
Aは俺のものだって。

マネ「ところで葛葉さん、明日締め切りの件なんですが…」

葛葉「まぁ落ち着いてくださいよ」

マネ「またそうやって…!」

小言が始まりそうなところで、スマホのバイブが数回鳴る。マネに詫びて電話を取ると、聞き慣れた同期の声がした。

椎名『もしもし、今ちょっと平気?』

葛葉「おー、椎名。どうした?」

椎名『どうもこうも、なに勝手にプロポーズしとんの?』

しまった、こっちも説教らしい。

椎名『付き合うときにも言ったけど、彼氏になろうが旦那になろうが、Aの一番はあたしやからね』

葛葉「へーへー、負け惜しみどうも。用件それだけか?」

椎名『負け惜しみちゃうわ!…んなことはどうでもよくて』

椎名から、さくゆい劇場の稽古場での近況を聞く。やっぱり、おかしいと思った。歌う側ではないとはいえ、アイツが自分から歌枠に立候補するなんて。

椎名『Aホントに魔性やからなぁ』

葛葉「そう思うなら止めろよ」

椎名『だって本人は"お友達ができた〜"って喜んでるのに、水差せないって』

椎名の言う情景が目に浮かぶようで、思わず溜め息を吐く。そういうところも可愛いとは思うが、もう少し人を疑うことも覚えてほしい。

椎名『公表はできそうなん?』

葛葉「ライバーの士気に関わるから運営で話し合うって」

椎名『あー…でも早い内に手を打たないと』

葛葉「わかってる。ちゃんと言って、戦うよ」

アイツは友達だからこそ、その気持ちが恋愛に変わる前にちゃんと芽を潰したい。心酔してるのは知ってるから、手遅れになる前に。

なぁ、イブラヒム。

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よもぎもち(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!大変モチベーションになります!!続きも頑張りますね! (2月12日 18時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
めめ - めっちゃ好きですこの話!!続き楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2月12日 17時) (レス) id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よもぎもち | 作成日時:2023年11月13日 19時

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