大いなる挑戦 ページ17
甲斐田さんの勢いに乗ったのか、あの後すぐに大量のスタンプがきた。全員は難しいけど、色んな人と色んな楽器でコラボできたら楽しいだろうな。定期配信として毎回ゲストを呼ぶのもアリかもしれない。
あっ、エリーさんがコメントまで残してくれてる。フルートを出来るという自己PRを読みながら、その可愛らしさに笑みが溢れた。
が、脳内お花畑な私の一方で、先程から葛葉が盛大に拗ねている。数分前まで私がスタンプを眺めている隣で「コイツは駄目だ」「アイツはやめとけ」と口うるさく言ってきたのだが、私が聞く耳もってないとわかるとソファに体育座りして一切こっちを見なくなった。
そろそろマズイかな。
「葛葉、怒ってる?」
葛葉「別に怒ってはない。怒ってはないけど、ムカついてはいる」
「それ怒ってんじゃんか」
葛葉の隣に座るが、葛葉はわかりやすく顔を反らしてしまう。
「私も友達増やしたいの。葛葉が友達たくさんいるの見て、羨ましいなって思っちゃったんだもん」
葛葉「…」
「私にとっては、結構大きな挑戦なんだよ。応援してよ」
葛葉だって知っているはずだ。私は基本、唯華からの紹介じゃないと人と関われない。それはまぁ、過去に色々あったからなんだけど。でも唯華に誘われて入ったにじさんじに居る人達なら、広義でいえば唯華の紹介ってことになるんじゃないか。美夜子と春香とは仲良くなれたわけだし。語部は勝手に取り憑いてきたのがきっかけだけど。
葛葉「応援しても良いけど、1個条件がある」
「なに?」
葛葉「俺と付き合ってるって、全ライバーに公表しろ」
葛葉はこちらを真っ直ぐ見つめて真剣な表情で言う。そんなに不安にさせてしまったのか。葛葉の頭を優しく撫でながら、安心させるように微笑んだ。
「いいよ。まずマネージャーに相談しないとね」
葛葉「俺もマネに言っとく」
「でも結婚します、とかならともかく…付き合ってますってお知らせ出すのも変じゃない?なんて説明しようね」
そう言うと葛葉は「んー」と言いながら首の後ろを掻く。
葛葉「けっ…こんは、ちゃんとプロポーズするから」
「うん?」
葛葉「ひとまず、婚約とかどっすか」
「え"っ」と間抜けな声がでて、顔に熱が集まる。葛葉は赤くなった私を見ると満足げに笑い、私の左手の薬指にいつものように噛みついた。
その噛み跡は、まるで指輪みたいだった。
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よもぎもち(プロフ) - めめさん» ありがとうございます!大変モチベーションになります!!続きも頑張りますね! (2月12日 18時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
めめ - めっちゃ好きですこの話!!続き楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2月12日 17時) (レス) id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2023年11月13日 19時