私と私 ページ41
「葛葉さん、日付変わる前に写真撮ろ！」
葛葉「は？なんで？」
「いいじゃん！配信者続けてたらこの世界の私はずっと16歳なんでしょ！21歳の私と写真を撮れる貴重なチャンスだよ！」
葛葉「いやだから、その自信はどこから来るんだよ」
呆れながらも、葛葉さんは画角に収まるように私の隣に並ぶ。なんだかんだこの時間までお喋りに付き合ってくれたり、葛葉さんはやっぱり「私」に甘い。
スマホのカメラを構え、葛葉さんにピッタリとくっつく。
「…ねぇ、葛葉さん。こっち向いて？」
葛葉「ん？」
カシャッ。
シャッター音が響くと同時に、私は彼にキスをした。葛葉さんは顔を真っ赤にして固まる。ほらね、この世界の私の性格上、自分からキスなんて殆どしてないと思ったんだ。
固まる葛葉さんの背後で、時計がコチコチと針を進める。
あぁ、残念。もうすぐ時間だ。
「また来年ね、葛葉さん」
これが今年のエイプリルフール最後の嘘になるかもしれない。来年も会える保証なんて、どこにもないんだから。
それでも、また会いたいと願った。
私はどうやら彼を、物凄く気に入ってしまったらしい。
時計の針が天井を指す。
シンデレラのように鐘は鳴らない。
追ってきてくれる王子様もいない。
ほんの一瞬、まばたきをしたその瞬間、
気が付くと見慣れたシングルベッドに腰かけていた。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
気が付くと、引っ越して間もない配信部屋にいた。
目の前には葛葉。ああもう、葛葉とは極力関わるなって手紙に書いておいたのに。
「ただいま、葛葉」
葛葉「ほ、本物…」
「いやあっちの私も別に偽物ではないけども…」
葛葉は特大の溜め息を吐くと、私の肩に顔を埋めた。私はそれを抱き締めて背中を擦る。
「ごめんね、疲れたでしょ。あっちの私、なかなかブッ飛んでるから…」
葛葉は本当に疲れているらしく「んー」と生返事を溢す。なんかちょっと、申し訳ない。
「Xで戻りました報告しないと」
そう言って近くに転がっていたスマホを拾うと、葛葉が慌てた様子で飛び起き、「ちょっ、ちょちょ…ちょっと待って」と私の手からスマホを取り上げようとする。
「え、なになに。見られたら困るものでも入ってんの？」
葛葉の腕をすり抜けスマホをチェックする。
LINEは特に更新なし。
Xも変な投稿はしていない。
なんだろう、と首を傾げながらデータフォルダを開くと、
そこには、葛葉と「私」のキスショットがあった。
「……なに、これ？」
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よもぎもち(プロフ) - うたねのどあさん» ありがとうございます！夢主を気に入ってくださって嬉しいです…！ご期待に沿えるよう、更新がんばりますね！ (3月3日 23時) (
レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
うたねのどあ(プロフ) - とても好みな作品です…！！夢主の性格や心情などの設定も好みですし物語の展開もとても気になります！！更新頑張ってください！！応援してますね！！ (3月3日 23時) (レス) @page17 id: d12e45b1fd (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - あめさん» ありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです！モチベーションになります！！ (2月29日 21時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
あめ - この作品めっちゃ好きです！！更新頑張ってください！！応援してます！！ (2月29日 20時) (レス) id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よもぎもち | 作成日時：2024年2月15日 21時
