相談役 ページ18
葛葉が出てっいった扉を泣きながらぼんやり見つめていると、唯華が立ち上がった。
椎名「あたしもそろそろ帰らんと」
「唯華…」
心細くて思わず呼び止めてしまう。唯華は私の方を見つめ眉を下げると、「ごめん」と呟くように言った。
椎名「悪いけど、こればっかりはあたしも葛葉に賛成。今回の件であたしらがどんな思いになったか、もう少し考えてみて」
そう言い残すと、唯華はそそくさと帰ってしまった。
葛葉も、唯華も、今までにないくらい徹底して私を守ろうとしている。でも、私は、そんな情けない自分を受け入れられない。
止まらない涙を拭うこともせず、ただぼんやりと今後のことを考えていると、コンコン、と窓を叩く音がした。
窓の外に目をやると、パタパタと羽を可愛らしく動かしながら飛ぶサキュバスがいた。窓を開けると、遠慮なく病室に入り込んでくる。
りりむ「ばぁー！いぃむだよー！」
「りりむちゃん、どうしたの？」
りりむ「んー？お見舞い。面会時間過ぎちゃってたから、窓から行こー！って思って」
相変わらずの自由奔放さに笑みが溢れる。そんな私をみたりりむちゃんは満足げに微笑むと、ベッドサイドに座りマネージャーさんが置いていったメロンを食べ始めた。
りりむ「さっきまでしぃしぃと葛葉きてたんでしょ？」
「あ、うん。実は、ちょっと葛葉と喧嘩しちゃって…」
りりむ「えっ？！なんでなんで？！」
一連の経緯を話すと、りりむちゃんは「はぁーーー？！」と火山が噴火したように怒り出した。
りりむ「あの二人、暴走しすぎ！Aの気持ち何も考えてない！！」
「でも実際、私は貧弱だし迷惑かけてはいて…」
りりむ「なにネガティブになってんのー！」
りりむちゃんは「もう！もうー！」と怒りながら小さい拳で私をポカポカ叩いてくる。正直、りりむちゃんが怒ってくれてだいぶ救われた。私は怒れる立場にいないから、そんな風に物申せないけど、納得いかないのも事実で。
「なんか、私の今までの頑張りをなかったことにされるような悔しさがある」
実際そこまでの話ではない。葛葉との関係を公表したあとでも、仲良くなった人達との縁が無駄になることはない。だけど、私ってなんのために頑張ってたんだっけ？と思ってしまうのだ。
りりむ「そうだよね！Aがいーっぱい頑張ってたの知ってる！いぃむも人見知りだから凄くわかる！」
りりむちゃんは、うんうんと頷いた後、急に大人びた顔になって「でもね」と続けた。
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よもぎもち(プロフ) - うたねのどあさん» ありがとうございます！夢主を気に入ってくださって嬉しいです…！ご期待に沿えるよう、更新がんばりますね！ (3月3日 23時) (
レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
うたねのどあ(プロフ) - とても好みな作品です…！！夢主の性格や心情などの設定も好みですし物語の展開もとても気になります！！更新頑張ってください！！応援してますね！！ (3月3日 23時) (レス) @page17 id: d12e45b1fd (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - あめさん» ありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです！モチベーションになります！！ (2月29日 21時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
あめ - この作品めっちゃ好きです！！更新頑張ってください！！応援してます！！ (2月29日 20時) (レス) id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よもぎもち | 作成日時：2024年2月15日 21時
