喧嘩 ページ17
葛葉「運営からの許可ももぎ取った。退院したらすぐにでも…」
「だめ！」
思わず叫んだ私に、唯華と葛葉が体を起こし怪訝な顔をする。運営が以前ダメだと言ったのは、私へのストーカー被害を危惧して。今回了承したのは、きっと私を守るため。全部全部、私のために回ってる。
でも、そもそも公表しようとしていたのは葛葉を安心させるためだ。私の都合じゃない。
それに。
「私は、まだ、葛葉に相応しくないから、だめ」
今にも溢れそうな涙腺を必死に飲み込ませる。ライバー内への公表ならいざ知らず、リスナーへも公表するとなれば、今の私じゃだめだ。私の言葉を聞いた葛葉と唯華は困ったように顔を見合わせる。
椎名「A。Aが葛葉に相応しくないなんて誰も思わんよ。そんなこと言うやつがいたら、あたしがぶっ飛ばしてやる」
「だめ。他の誰も思わなくても、私がそう思うんだもん。だから、だめなの」
俯きながら答える私に、唯華が顔を覗き込んでくるが、黙って首を横に振る。こと葛葉に関しては、唯華に甘えないって決めているんだ。これだけは譲れない。
無言の攻防をしていると、葛葉が口を開いた。
葛葉「悪いけど俺は、お前のプライドよりも、お前の安全の方を優先する。今回みたいに他の奴と噂になるのも単純に気に食わねぇし、それが原因でストーカーだの霊だのに襲われてお前が危ない目に遭うのはもっと気に食わない」
葛葉は、真っ直ぐな目で私を見つめる。こういうときの葛葉は決して折れないのを私は知っている。だけど。
「噂に関しては私だってこれからは気を付けるし、身の安全を守る方法なら他にも…」
葛葉「他の方法ってなんだよ」
「それは…すぐには思い付かないけど…」
葛葉「それが思い付くまでの間に、お前が死んだらどうするんだよ！」
声を荒げる葛葉に、言葉がつまる。こんな怒ってる葛葉は始めてみた。塞き止めていた涙が溢れ出す。
「なんで？私のこと、信じてくれないの？」
葛葉は私のことを、か弱い存在だと思っている。ストーカーや霊にポッキリやられてしまうような。人間と吸血鬼じゃ仕方ないのかもしれない。それに実際、言い返せるほど私は強くない。
だから、今の私じゃ葛葉に相応しくないんだよ。
守られてるだけなんて嫌だ。貴方の隣に立ちたいのに。
葛葉「…退院するまでに考えとけ」
そう言うと葛葉は目も合わせずに出ていってしまった。
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よもぎもち(プロフ) - うたねのどあさん» ありがとうございます！夢主を気に入ってくださって嬉しいです…！ご期待に沿えるよう、更新がんばりますね！ (3月3日 23時) (
レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
うたねのどあ(プロフ) - とても好みな作品です…！！夢主の性格や心情などの設定も好みですし物語の展開もとても気になります！！更新頑張ってください！！応援してますね！！ (3月3日 23時) (レス) @page17 id: d12e45b1fd (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - あめさん» ありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです！モチベーションになります！！ (2月29日 21時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
あめ - この作品めっちゃ好きです！！更新頑張ってください！！応援してます！！ (2月29日 20時) (レス) id: a85ab24ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よもぎもち | 作成日時：2024年2月15日 21時
