久しぶりの病院 ページ37
私の隣でうとうとしている緑を寝かしつけていると、灰くんが目を覚ましたらしく、緑の頭を撫でる手と反対の手が引っ張られる。
「ごめん、起こしちゃった?」
黛「…起こしたことよりもっと謝ることがあると思うんだけど」
「心配かけてごめんなさい」
灰くんは私の手をギュッと握って「凄く心配した」と口をへの字に曲げて言った。謝罪の気持ちを込めて私も灰くんの手を強く握り返す。灰くんの手は寝起きだからかポカポカしていて、とても安心した。
??「はーい、お加減はいかがでしょうかぁ」
「花那ちゃん」
可愛らしい声に顔を上げると、花那ちゃんがカーテンを開けた先に甲斐田さんと医者の先生が立っていた。この先生は中学時代に物凄くお世話になった先生で、私を見るなり「久しぶりだね」と皮肉を言ってくる。
先生「喧嘩はやめたんじゃなかったのか」
「喧嘩じゃないもん」
嘘は吐いていない。一方的に殴られただけだ。そしてその報復として緑達が一方的に殴り返しただけだ。殴り合ったわけじゃないから喧嘩じゃない。多分。
黛「健屋ありがとう、俺達まで泊めてもらっちゃって」
健屋「いいよ、ふわっちも緑仙も、テコでも動かなさそうだったし」
花那ちゃんの言葉にハッとして、すっかり寝付いた緑と不破先輩を見る。心配かけて申し訳ない事をしてしまったな。
黛「A、ちゃんと不破くんに謝りなよ。我儘いって困らせたんでしょ」
「だって、早く帰りたくて」
先生「だったら最初から喧嘩なんてするんじゃないよ」
「喧嘩じゃないってば」
言い返してみるも、どうにも分が悪い。花那ちゃんからは「三枝くんも凄く心配してたんだよ」と罪悪感に追い打ちをかけることを言われる始末。
甲斐田「叶さん達からも鬼電きてるから、落ち着いたらAちゃんから連絡してね」
トドメの一言。でも確かに、この件で不破先輩や甲斐田さんが怒られるのは忍びないので、素直に首を縦に振った。
先生「今回は頭だし、検査やら何やらするから残りのゴールデンウィークは無いものだと思ってね」
「えー!フレンと動物園行くの!ムンブロとも遊ぶの!」
黛「また今度だね」
「やだー!!!」
あまりにも全力で駄々を捏ねたため、足をバタつかせた勢いで不破先輩と明那が飛び起きる。
明那「敵襲?!」
不破「なんや!誰や!」
先生「病院で騒がない」
不破・明那「「すんません」」
息ピッタリな二人をみて、思わず笑ってしまった。
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よもぎもち(プロフ) - の〜さん(旧もこ)さん» コメントありがとうございます!恋愛に発展するように頑張ってみますね! (11月11日 11時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - コメント失礼します。私2j3jの人達全員推しなのと愛され大好物なので嬉しいです!出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください!楽しみにしてます! (11月11日 10時) (レス) @page2 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - きささん» リクエストありがとうございます!fwさんですね、かしこまりました! (7月17日 21時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
きさ - よもぎもちさん» 返信ありがとうございます。リクエストなんですけど、fwさんとの絡みがみたいです‼ (7月17日 21時) (レス) @page23 id: 9659c34de0 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - きささん» コメントありがとうございます!!めちゃくちゃモチベになります!!楽しんでもらえるよう、頑張って続き書きますね! (7月17日 11時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち | 作成日時:2023年7月12日 15時