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愚か者の集い ページ27

ゴールデンウィーク4日目。今日も平日のため、窓の外から下校中あるいは部活動中の生徒の声が響いてくる。珍しく人のいない生徒会室。静寂に包まれたその場所に、彼は訪れた。

不破「あれ、他の人おらんの?珍しいね」

「不破先輩こそ、一人で遊びに来るなんて珍しいですね」

そういうと不破先輩は「明那と約束しててんけどな」と言いながら私の隣に座った。ちなみに明那は先程カチコミにきた他校生を締めにいき席を外している。その旨を伝えるか迷ったが、不破先輩まで遊び感覚で交じりに行きそうに思えたため「10分くらいで戻ると思いますよ」とだけ返しておく。

不破「Aちゃんはさ、明那のこと好きなん?」

「好きですよ?なんですか急に」

不破「んー、質問変えるわ。明那と付き合わないの?」

不破先輩の言葉に、大きめの舌打ちを返す。不破さんは「え、こわ」と大して怯えた様子もなく笑って見せた。

「別に、明那とは普通に友達ですよ」

不破「…本気で言ってる?」

へらへらしていた不破先輩の空気が変わり、思わずペンを止め目線を書類から上げる。不破先輩は似つかわしくない真面目な顔で、私を真っ直ぐ見つめていた。

不破「Aちゃんってさ、本当にそんなに鈍感なのかな?」

「…何が言いたいんですか」

ペンを置き、不破先輩に向き合うように座り直す。ここで逃げてはいけない気がした。そうしなければ、不破先輩の中で私の価値がなくなるような、尊敬を失うような。それくらい、不破先輩の纏う空気は真剣なものだった。

不破「俺はさ、大切な人には幸せになってほしいなって思ってんの」

「不破先輩が明那のことが大切なのはわかりました。でも」

不破「んーん、Aちゃんはわかってないよ」

即座に否定されて、呆気にとられる。てっきり、明那のことが大切だから近付くなって話かと思ったのに。だとしたら、私と明那は何もない友達なのだと説明しようと思ったのに。

不破「多分だけどさ、Aちゃんが考えてること、1から0まで違うよ」

どうしよう、真剣な空気で突っ込んでいいのかわからない。1から0までじゃ少なすぎるだろ。なんで減ってるんだよ。

「1から0までじゃ少なすぎるだろ。なんで減ってるんだよ」

やばい、口から出てしまった。不破先輩も「あれ?俺なんて言った?」なんて首を傾げている。話の腰を折ってごめんなさい。耐えられんかった。

疑念と自惚れ→←それだけで それだけで



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よもぎもち(プロフ) - の〜さん(旧もこ)さん» コメントありがとうございます!恋愛に発展するように頑張ってみますね! (11月11日 11時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - コメント失礼します。私2j3jの人達全員推しなのと愛され大好物なので嬉しいです!出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください!楽しみにしてます! (11月11日 10時) (レス) @page2 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - きささん» リクエストありがとうございます!fwさんですね、かしこまりました! (7月17日 21時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)
きさ - よもぎもちさん» 返信ありがとうございます。リクエストなんですけど、fwさんとの絡みがみたいです‼ (7月17日 21時) (レス) @page23 id: 9659c34de0 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - きささん» コメントありがとうございます!!めちゃくちゃモチベになります!!楽しんでもらえるよう、頑張って続き書きますね! (7月17日 11時) (レス) id: c260269ddb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:よもぎもち | 作成日時:2023年7月12日 15時

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