優等生でいさせて！

新体制が始まる ページ14

校長「今日から、生徒会に新メンバーが入ります」

全校集会で壇上に立つのは、いつもの顔ぶれに加え、二人の１年生の姿。一人はレオス・ヴィンセントくん。科学室で悪事を働いていたところを楓先輩がひっ捕らえただとか、科学部の予算アップを目論んでいるだとか、色々と尾ひれがついているが、１年生にして会計を任された優秀な生徒だ。ちなみに任命の真相は私も知らない。もう一人は、私が大層気に入っていることを会長がどこかで聞きつけてマークしてくれていたらしいサンゴちゃん。全校生徒の前で挨拶するにあたって緊張するかと思えば、壇上にも関わらず校長の挨拶に船を漕ぐ猛者である。可愛い。

いよいよ新体制での生徒会活動が始まる。サンゴちゃんが生徒会に入ったことで逃げそびれたとはいえ、やるからには全力で取り組まなくては。そう気を引き締めて隣を見ると、サンゴちゃんだけでなくレオスくん、明那、緑が船を漕いでいた。本当に大丈夫か、この生徒会。

そう思ったのも束の間、生徒会の代表挨拶として叶先輩がマイクの前に立った瞬間、体育館内の空気が一変した。隣の生徒会メンツも、先程までがウソのように背筋を伸ばして立っている。いや、緑は若干猫背だが。

改めて、我らが会長様は凄い方なのだと痛感する。
ヤンキーだらけのこの学校で、頂点に立つ人なのだ。




叶「今年も単位ギリギリかもしらんなぁ…」

全校集会を終え、放課後。生徒会室に入ってきた叶先輩の第一声がこれである。まだ４月だぞ、勘弁してくれ。思わず頭を抱えてしまう。

緑仙「会長、留年しちゃうよ」

叶「Aや明那や緑さんと同じ学年かぁ。それはそれで楽しそうだけどね」

「威厳というものを大切にしてください」

本当に今朝の集会と同一人物なのだろうか。叶先輩は呑気に「威厳はもう充分あるし、良いでしょ」なんて言いながら回転イスをくるくると回している。

明那「せや、会長の威厳を知らしめるためにも提案があるんだけど」

そういうと明那は立ち上がり、鞄からビデオカメラを取り出した。

明那「先生から許可貰って借りたんだけど、これで生徒会の活動をSNSで広めてこ！」

サンゴ「楽しそう〜！やりたいやりたい！」

楽しそうなのは何よりだが、会長の威厳は会長が単位を取ればいいんだよ…。



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※生徒会動画ネタを今後入れていくかもです。

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