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山田 洋介の場合。2 ページ2

ルルチアに体を支えてもらって、なんとか男性がわたしの体にのる。
やはり男性の体を持ち上げるとなると、少し大変そうだ。

「零さん、大丈夫……?」

心配そうにこちらを見てくるルルチアに、笑顔で大丈夫だよ、と言う。

「ごめんね、ルルチア。折角のお散歩だったのに」

アーレスに向かいながら私は言う。

「大丈夫……零さんと少しでも一緒にいれるの……嬉しいから……」

ルルチアがそう言ってくれて安心した。
最初の頃は怯えていたけれど、私が話しかけてみると、今ではすっかりなついてくれて嬉しい。

「あ、お散歩中やったんやね、ごめんなぁ」

私たちの会話を聞いていた男性が申し訳なさそうにルルチアに言うと、ルルチアはびくっと体を震わせた。

「あと聞いてみたかったんだけど、どうして仮面を被っているの?」

最初から気になっていた疑問を問う。

「あ、これは……気にしないでいい」

「そう言われると……もっと気になる……」

男性の答えに、ぼそっとルルチアが言う。
正直その通りだが、男性の反応からしてトラウマに関わっていると思うので、今はそっとしておこうと思った。



「あと少し……」

少しの間黙って歩いていたところ、ルルチアが話始める。次の角を曲がればアーレスにつく。
とりあえずリーダーに伝えて、彼の状態が治るまでアーレスにいてもらおう、と私は思った。

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作者名:よもぎまんじゅう | 作成日時:2018年8月18日 23時

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