〈Remake〉最強チート夢主≒死神《薄桜鬼編第一刻》 (ページ13)

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《11》Incident. ページ13

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158人の隊士編は省略させていただきます。

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『京を燃やす、なんて…。本当に尊王なんでしょうかねぇ？』

時は過ぎ、元治元年六月五日・池田屋事件当日となった。事の発端が千鶴の外出であったため、千鶴、同伴していた沖田、そして山南の間で火花が散っていた。

「ま、まあまあ！それよりも、だよ」

この空気感に若干怯えながらも藤堂が間に入り、近藤の方を向いた。

「ああ。そうだな。事は一刻を争う。池田屋か四国屋か…」

「いつもなら池田屋だが、彼奴が捕まって四国屋の可能性もあるな」

『それか、そのまた裏をかいてやっぱり池田屋とかか？』

この数日間でよもぎは一番隊伍長を、野月は医療に携わりながらも副長補佐となった。野月は元々死神隊副総督だったこともあり上手いことやっているが、よもぎは沖田と犬猿の仲のようなところがあるというのもあり、常に言い合っているような隊となってしまった。

「二手に分ける、か…。よし、本命は四国屋であると考えて部隊を編成する」

威厳のある声が響いた。散っていた火花も近藤の一言で消えていった。普段は温厚で断ることを知らないような人ではあるが、こういう部分が「上に立つもの」としての力なのだろう。

「だが近藤さん、今動ける隊士はそんなに多くねぇ」

「分かっている。だから池田屋には総司、藤堂、永倉君、野月君、そして俺の精鋭で行く。その他は四国屋だ。ただし、雪村君と山南君には屯所に残ってもらう」

其の言葉に、3つの衝撃が走る。一つはよもぎ。何故私でなく野月なのだ、という理由で。一つは野月。何故よもぎでなくて私が精鋭に選ばれているんだ、という理由で。一つは山南。何故私が残っていなくてはいけないのだろうか、という理由で。

『何故私を精鋭側に…？』

「ああ。君はそう呼ばれるにふさわしい。それと山南君、全員が出払っている間この新選組屯所を守れるのは山南君しか居ない。頼めるか？」

野月同様困り顔だった山南は、はっと目を見開いて暫くの沈黙の後頷いた。

「では、全員討ち入りの準備を！」

土方のその声に呼応するかのように、幹部らは立ち上がって自室へとかけていった。それは野月らも同様である。

『よもぎ、とうとうだね』

『何かあったら呼べ』

そう言葉をかわした二人は、浅葱色の段駄羅模様の羽織をばさっと広げて腕を通した。