椎名の風邪 あゆさんリクエスト ページ10
「お前、マジで家帰れ。テンションおかしいから」
『あっは、大丈夫大丈夫ー』
放課後。
熱が上がりすぎて逆に元気になったらしいAに隣の席の彼がドン引きする。
「保健室行くべ」
そう言って彼がAの腕を引っ張る。
Aの肌に触れて顔をしかめた彼が思うことは一つ。
──熱い。
やたらとニコニコと笑うAを引きずって廊下に出る。
西谷「……Aさん? どうかしたんですか?」
ちょうどAを部活に誘おうと来ていた西谷がバッタリ出くわす。
西谷は訝しげに首を捻った。
「あー、こいつ多分熱出てるからさ、澤村に言っといてくんない」
彼がそう言うと、西谷は慌ててAの額に手を当てた。
西谷「ちょっ、ヤバいじゃないですか! ていうかなんでそんなに平気そうな顔してんスか!」
西谷が心配そうに眉を下げる。
後ろからたまたま西谷を追いかけて来た縁下が顔を出した。
縁下「俺、体温計持ってるんで計りましょうか?」
話を聞いていたらしい縁下が提案する。
なぜ体温計を持っているのかは謎だ。
廊下に座り込んで体温計を脇に挟み込み、待つこと数分。
ピピピ、と電子音が鳴る。
縁下「えーっと、……39.2度」
「えっ、えっ?! ちょっとA、起きろ!」
先程とは打って変わってぐったりとしたAを彼が揺さぶる。
廊下がざわつく。
もはや立ち上がる気もないAを彼が背負い、保健室に連れて行く。
『……すまーん』
「元気になったらアイス奢れよ!」
勢いよくAを背負った彼と西谷、縁下が保健室に飛び込む。
保健室の先生はどうやら席を外しているようだった。
縁下「あーもう、タイミング悪いですね。えーと、氷氷……」
縁下が冷やすものを探している間、Aはベッドに寝かされる。
寝ているのか気絶しているのか、分からないほどに顔色が悪い。
西谷「俺、大地さんに知らせて来ます!」
そう言って西谷が保健室を飛び出す。
そして保健室には、相変わらず氷を探す縁下とぐったりとしたA、どうしていいのか困惑している彼だけが残された。
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期待されたのは絶対こんなのじゃない……。
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ゆき(プロフ) - てしまいました…。長い長いコメント、申し訳ありません…!これからも応援しています!! (2022年5月27日 22時) (レス) id: ef64ea2517 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 八雲さんリクエストが、凄く好きです…!本編を読ませていただいたのですが、余計に…泣ける…ッッ!!八雲さんのリクエストを書いてくれて、本当にありがとうございます(何処目線って感じですね、すみません)あわよくば、主人公には故障もせずに春高に出て欲しいと思っ (2022年5月27日 22時) (レス) @page7 id: ef64ea2517 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - お疲れ様でした!テスト頑張ります (2019年11月29日 2時) (レス) id: 398e0a716f (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ餅のわらび(プロフ) - こころさん» ごめんなさい、リクエストはもう募集してないんです……。すっごく面白そうなリクエストなのですが、申し訳ありません。テスト頑張って下さいね! (2019年11月28日 19時) (レス) id: 3bd3258fc4 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - またまたリクエストです 主人公の幼児化見たいですそれぞれの学校の反応見たいです 私も今日からテスト週間です!頑張ります!! (2019年11月28日 8時) (レス) id: 398e0a716f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎ餅のわらび | 作成日時:2019年10月22日 12時