烏よ、再び 番外編【ハイキュー！！】

稲荷崎　蒼鴇さんリクエスト ページ6

『……えーと、よろしくね。治君？』



　関西特有の勢いに若干引きつつもAが手を差し出す。



　治は目を輝かせてその手を取った。



侑｢おいゴラ！ ほんまに何しよんねん！！｣



治｢何言うたって……。握手？｣



　良い笑顔で繋いだ手を侑に見せ付ける治。



　ますます機嫌の悪くなる侑。



『なぁ、影山。あっちの金髪の子の名前、分かる？』



影山｢宮侑さん。セッターです｣



　影山は迷いもせずに名前を伝える。



　やはり影山の頭はバレーの為だけにあるらしい。



　Aは簡単に影山に礼を言うと、侑の方に走り寄る。



　侑が嬉しげに頬を緩めた。



『よろしく、侑君。トスお願いしていいかな？』



侑｢っ、こちらこそお願いします！｣



　なお、侑は今も尾白に拘束されている為、バタバタと暴れている。



　尾白が仕方ないとばかりにパッと拘束を解いた。



『……侑君、背高いんだね』



　侑の身長は１８３センチ。



　Aとは身長が１０センチ近く違う。



　侑は子供っぽい笑みを零しながらコートに向かう。



　角名が｢良いの？｣というように北を見た。



北｢ええよ。……出発する前から楽しみにされとったら邪魔でけへん｣



　北がほんの少し、苦笑いする。



　コートに着いたAが軽くボールを放った。



侑｢……ほっ！｣



　侑がトスを上げる。



　高校No.1セッターの名は伊達ではなかった。



　……はずだ。



尾白｢うわ、マジかよ｣



　尾白が顔を引き攣らせて呟いた。



　スパイクにならなかったボールが中途半端に押し出される。



　──トスが低すぎたのだ。



侑｢うっわあああ……！ すんません、もっかい！｣



　侑は失敗したにも関わらず、嬉しそうにもう一度上げさせてくれと頼んだ。



　侑が予測した打点よりもはるかに高い打点。



　幼い頃から追いかけてきた存在は、侑の想像以上だった。



治｢……俺もセッターやったら良かったなぁ｣



銀島｢何言うてんねん！ スパイカーやからこそええ所もあるやろ？！｣



　そう会話をする二人の前で、今度は完璧なトスとスパイクが披露される。



『え……。トスうまっ！』



侑｢ありがとうございますー！！｣



　侑は満足げに、治は少々不満げに。



　──練習試合が始まる。





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　双子ってこんな感じでしたっけ……？

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