烏よ、再び 番外編【ハイキュー！！】

椎名のお菓子な匂い事情　螢光ﾍﾟﾝさんリクエスト ページ21

日向｢し、失礼しまーす……｣



　そろりと風呂場に入る。



　そしたら稲荷崎の主将さんと双子がいた。



　うわあああ、威圧感がすごい。



　他の人達はもう上がったのかな？



北｢ああ、烏野の……｣



日向｢は、はい！ 烏野の日向翔陽ですっ！！｣



　大慌てで自己紹介をすると、双子がプッと吹き出した。



侑｢北さん、怯えられてますやん！｣



治｢いや、ちゃうやろ。お前の凶悪な顔面に怯えたんやろ｣



侑｢言うてお前もおんなじ顔やんか！｣



　ぎゃいぎゃいと双子が言い合いを始める。



　金髪の人がセッターの侑さん、銀髪の人がスパイカーの治さんかな？



　その様子を困ったように目を細めて見つめる主将さん。



北｢静かにせぇ。声が響いてかなわんわ｣



　主将さんがそう発した瞬間、すぐさま風呂場が静まる。



　一見双子の人達が好き勝手やってそうだけど、やっぱり主将さんが強いんだ……。



北｢すまんな、うるさくて。俺、北信介て言います｣



　北さんがニコリと淡く笑う。



　紙に絵の具がゆったりと滲むような感情の表し方だ。



　その後ろで侑さんが｢北さんて笑えるんや……！｣と小声で言っていた。



　本人にも俺にも、バッチリ聞こえてるけど。



侑｢俺は宮侑。ちゃんと治と区別してな｣



治｢俺、もう侑に紹介されたしええでしょ？｣



　治さんが嫌そうに顔をしかめるけど、北さんが｢ダメ｣と言うように首を横に振る。



治｢……分かりました。俺は宮治。よろしくな｣



　治さんが握手を求めるように手を差し出す。



　結構ゴツゴツした手を戸惑いながら握る。



日向｢よ、よろしくお願いします。あの、Aさんの事で聞きたい事があるんですが──｣



侑｢なんや？！ 俺、Aさんの事やったら何でも答えれんで！｣



治｢俺も行けんで｣



　……反応早いな。



　北さんが目を丸くしてるし。



日向｢Aさんってお菓子みたいな甘い匂いがするんですが、なんでだと思います？｣



北｢えー……、なんでやろ？｣



　北さんが首を傾げながら呟く。



　すると、侑さんと治さんが声をピッタリ合わせて言った。



侑治｢｢それ、柔軟剤の匂いやで｣｣



　ごめんなさい。



　心の中だけど謝っておきます。



　──ちょっと気持ち悪いです。





　北:わからんわ
　侑:柔軟剤の匂いやで
　治:柔軟剤の匂いやで

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