烏よ、再び５ 青葉城西編

青葉の整頓 ページ21

烏野１２点、青葉城西１０点。



『……お、帰って来んの早かったな』



　坊主頭がリベロからのトスを決めた後、選手交代がされた。



　──入って来るのは、京谷。



松川｢本当だ。さーて京谷クンの調子はどうかなー？｣



　松が片頬を吊り上げてニヤリと笑う。



　坊主頭のサーブを岩泉が綺麗に返す。



　松が速攻に跳び込み、俺もそれにやや遅れて助走に入る。



　及川は冷たさを感じる程冴えた目を京谷に向けた。



及川｢──京谷ちゃん｣



　その声は酷く静かで。



　──静かに、京谷の事を信じていた。



　京谷の顔にビリッと緊張が走った。



　京谷が今までになく丁寧に跳び上がった。



『──ッ』



　京谷の前に築かれた、３枚ブロック。



　その内側を易々と超えてスパイクが叩き込まれた。



　超インナースパイク。



　レシーブに構えていた向こうの主将の腕を、スパイクが大きく弾いた。



　及川が小さく、妖しく笑う。



　京谷は興奮に少し息を乱れさせ、自身の手を見つめている。



　──恐らくはこれまでのバレー経験の中で、１番のスパイクだったのではないだろうか。



　あいつのトスは味方の最大値を引き出す。



　十二分に分かっていたつもりだったが、まだ足りなかったようだ。



及川｢……京谷。よく打った｣



　及川自身は非常にあっさりとした声で、いつもと変わらぬように言う。



　京谷の目付きが変わる。



　今までの荒々しさなど微塵も見当たらない程、落ち着いた目。



京谷｢……うす｣



　──京谷が入ってから引っ掻き回され、何かがチグハグで揃っていなかったものが。



　カチリと、はまった気がした。





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　回答、ありがとうございました！
　取り敢えずは白鳥沢戦までは進めて行きます。
　その後の全国編については……、後々考えるという事で。
　ガッツリ宮兄弟の所とか星海まで出すと、おっかない長さになっちゃうので。
　(もしかしたら宮兄弟はちょろっと出るかも……)

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