烏よ、再び５ 青葉城西編

青葉の葉脈 ページ2

及川｢マッキー！｣



　及川の伸びやかなトスが上がった。



　伊達工のブロッカーが悔しげに唇を噛んだ。


　
　及川に引っぺがされ、少なくなったブロックを打ち抜く。



　──これで俺達のマッチポイントだ。



及川｢ナイスキー、マッキー！｣



『……毎回だけどさ、それ言われると複雑な気持ちになるわぁー』



　ウザいくらいに華やかな笑顔を撒き散らす及川にそう毒づく。



　及川がぷくっと頬を膨らませた。



　ひくりと自分の目元が動いたのが分かった。



松川｢気持ち悪いですわね、花さん｣



『そうですわね、全く可愛くないですわね。松さん』



　わざとらしく女っぽい仕草で松と会話する。



　その間に｢気持ち悪りぃ｣と岩泉が及川の頭を叩いた。



及川｢何なのお前ら！ 及川さんに冷たくない！？｣



『いつもの事だろ。気にすんな』



　へいへいと及川の文句を受け流す。



　及川はしばらくぶーたれていたが、笛が鳴るとすぐに顔を引き締めた。



　顔を引き締めれば、とても端正である事が際立って余計に腹が立つ。



　及川が岩泉にトスを上げる。



　──及川は気付いていないのかもしれないが、ラストはいつも岩泉だ。



　そこでいつも、俺達は｢阿吽｣との線引きをされるのだ。



　岩泉との仲に、誰かが入ることは許されない。



　そんなものは絶対に有り得ない。



　一年生の大型セッターの手の間を抜いて、岩泉が最後の点を決めた。



及川｢よぉっし！｣



　及川が心底嬉しそうにガッツポーズを決めた。



『ウェーイ』



松川｢ウェーイ｣



　俺は松とテンションの低いハイタッチを交わした。



　──伊達工業 VS 青葉城西高校



　勝者:青葉城西高校





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　未だにマッキーの性格がよく分からない……。
　しかし一番高校生らしいのもマッキー。

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